お餅は、お供物の中でお菓子や果物よりも重要とされるので、大切な法事がある時にお供えされる方も多いと思います。
しかし、お餅といっても「形・色・大きさ」が色々ありますよね?
- どんなお餅を用意すればいいか分からない
- お供えする時にどの仏具を使うの?
- 半紙を使いたいけど折り方や向きが分からない
- お仏壇のどの場所に置くのが正しい?
- 個数や重ね方に決まりはある?
といった内容を、浄土真宗のお供えマナーに沿って分かりやすく解説するので、お仏壇の準備にお役立てください。
※お正月にお仏壇へ「鏡餅」を飾る方は、以下の記事をどうぞ⇩
>>正月の仏壇飾り方・鏡餅/花/お菓子/果物のお供え方法(浄土真宗)
お仏壇のお餅の形・色(紅白)・個数に決まりはある?
- あんこが入っていないお餅のみの種類にする
- 丸い形のお餅を使用
- 弔事の法事は白のみ/慶事の法事は紅白
- 大きさは仏具にのるサイズを準備する
- 個数に決まりはないので、吉凶を気にせず使う
お仏壇のお餅の紅白の使い分けについて

白いお餅…四十九日法要・初盆・1周忌・三回忌といった法事の時
紅白の餅…お仏壇を購入した時に行う入仏式などのお祝いの時
四十九日法要・初盆・1周忌・3回忌といった悲しみの法要の時には、お餅もそれにあわせて白色をお供えします。
売られている丸餅は、だいたい直径5センチくらいの大きさなので、仏具にのるサイズだと思います。
お仏壇を購入した時に浄土真宗では入仏式(法要)を行いますが、家に仏様を迎えた慶びの法要という意味から、お餅は紅白を用意します。
その他、お正月なども新年を祝う意味で紅白餅をお供えしたりしますが、鏡餅をお供えする場合には、お餅のお供えは鏡餅だけでいいと思います。
四十九日法要と入仏法要を一緒にするときのお餅の色はどっち?
浄土真宗では、新しくお仏壇を購入した際に行う慶事の法要を「入仏法要(式)」といいます。
四十九日法要と入仏法要を同日に行う場合には、時期が中陰中ということで、
例外的にお祝いの雰囲気を避けて、四十九日法要のお仏壇のお飾りをします。
したがって、お餅の色は「白」をお飾りして、仏花・ろうそく・打敷も白を用います。
では次に、お仏壇にお餅をお供えする手順を、イラスト画像を挟みながら解説していきましょう。
お仏壇のお餅のお供えに必要なもの(仏具など)

準備するものは
- お餅(4つ~)
- 供笥(なければ高坏)
- 半紙
- はさみ
供笥は、お供物をお供えする時に使う 2つで1セットの仏具です。
お餅をお供えに使われるのは基本的に供笥とされていますが、なければ高坏を使われてもかまいません。
お餅の個数は仏具のサイズにあわせる
用意するお餅の個数は、供笥にちょうど載るサイズなら全部で4つ、
供笥に対してお餅が小さければ、量を増やしていいと思います。
お供え物は基本的に小高く盛りたいので、ご家庭の仏具のサイズを見ながら用意してください。
(※浄土真宗のお供え物で奇数や偶数といった数の吉凶は気にしませんので、自由に決められてください。)
供笥(お餅用の仏具)を使ってお餅をお供えする方法

お仏壇のお餅は主に供笥を使ってお供えします。
一対(2つで1セット)で、浄土真宗本願寺派(お西)では六角のものを⇩
真宗大谷派では八角のものを使用します⇩
ご自宅のお仏壇に合うサイズのものを使いましょう。
では、お供え方法3つの手順を見ていきます。
その1・半紙を折って懐紙を作る

供笥に直接お餅をのせずに、上の図のように折った半紙を敷いてお供えします。
お餅をのせた時に半紙が少しはみ出しても大丈夫なので、供笥のサイズを見ながら折ってください。
※パターン①とパターン②のどちらの形を作られてもかまいません。
このような紙を「懐紙」又は「中折れ紙」と呼び、人や地域によって折り方が違う事もありますが、弔事では上の紙を左側に少しずらして折るのが一般的です。
(慶事・平常では、上の紙を右側にずらしております)
お仏壇に対しての懐紙(半紙)の向き

お仏壇には、平らな方を向けてお供えするので、向きに気を付けましょう。
(お供え専用の敷紙もあります※特小サイズは12㎝×12㎝になります⇩)
その2・供笥にお餅を盛る(偶数・奇数は関係ない)

左右2つずつ同じように盛っていきます。
お仏壇のお供えでは、数個積んで高くなるように盛ることが多いですが、浄土真宗に数の吉凶はありませんので、奇数・偶数といったものは気にせずにお供えされて下さい。
お餅が小さければ小高く盛る工夫を


お餅が小さければ、上の図のように積み重ねて盛っていいと思います。
ちょうどいいサイズのお餅はなかなか手に入らないと思うので、臨機応変に工夫してお飾りしてください。
(私もお餅が小さい時には自分で考えて積んでいます
紅白餅の場合は、紅が上で白が下になる

お仏壇を購入した際に行う入仏法要では、お祝いの法要と位置付けられるので、紅白餅を準備します。
紅白餅の重ね方は紅が上になります、紅白餅が手に入らない場合には無理に用意する必要はないので、白いお餅をお供えしても大丈夫です。
その3・お仏壇に置いてお供えする

お仏壇が大き目なら、上段にお供えします。
置くスペースがなければ中段でもいいのですが、
お仏飯を除いたお供物の順位としては「①お餅②お菓子③果物」の順番で重要とされるので、
お餅はできるだけ上の段に置くのがお飾りの基本です。
供笥がないなら高坏でお餅をお供えしてもOK

懐紙を折って高坏に敷いてから、お餅を盛ります。
お仏壇への置き場所も、上段が基本ですが、置くのが無理であれば中段にお供えします。
お供えしたあとのお餅は食べましょう
基本的にはその日のうちにお供えしていたお餅を下げて、阿弥陀如来からのお下がりとして頂きます。
法事などの時には、出席していただいた人におすそ分けしてもいいですね。
浄土真宗の食べ物をお供えする意味は、亡くなった人や仏様に食べていただく為ではなく、
私達が生きていく為に必要不可欠な「食」は阿弥陀如来のお恵みであると考え、感謝の気持をもってお供えする
という意味になります。
人から頂いたお供え物も同じです、お仏壇の周りのスペースに置くなどして感謝の心を表しましょう。
よその家のお仏壇のお供えものは嫌だという人も…
お仏壇のお供えものを誰かにおすそわけする事は悪い事ではありませんが、
中には以下のような考え方をする人もいらっしゃるのが現実です。
- 縁起がわるい
- よそのお仏壇のものは気持ち悪い
- 線香臭いからいやだ
- 人として非常識
- 何かがとりつきそうで怖い
浄土真宗では「霊」や「魂」といったものは無いと考える宗派ですが、教えをよく理解していなかったり、そもそも宗教に興味の無い人も大勢います。
おすそ分けする相手との関係性が悪ければ、こちらが何をしても嫌がられることも多々あります。
そういった場合にはこちらの気持ちを押し付けずに、おすそ分けしない判断も必要です。
食べ物を無駄にしないのは大事なことですが、もし誰かにあげる時には常識として傷みかけたものではなく、美味しくたべれるうちにおすそ分けしましょう。
まとめ
・お餅のお供えには供笥(なければ高坏)を使用
・お餅のお供えは懐紙を作る
・お餅は小高く盛るのがポイント
(浄土真宗では数の吉凶は関係ない)
・お餅を置く場所は上段(無理なら中段)にお供えする
お仏壇の準備はあまりにも完璧にこなそうとすると、手がすすみませんよね?
ある程度自己流でも大丈夫ですが、注意点としてはご本尊が隠れてしまわない様にすることです。
法事ではお供えが多くなってお仏壇に色んなものを置きますが、その点は特に気を付けてお飾りされて下さい。
⇩お菓子のお供えは方法はこちら
>>仏壇にお菓子をお供えする方法・高坏や半紙を使った全手順(浄土真宗)