「異宗教結婚」の夫婦にとってお墓は避けられない問題ですね。
いずれやってくる人生の終わりに「自分達にとってどんなお墓がベストか」を導き出したいものですが、
中には「この話になるといつも喧嘩になってしまう…」「誰に相談していいかわからない」
そんな風に困る方も多い中、宗教観の違う夫婦はお墓をどうすればいいでしょう?
できれば別々ではなく、夫婦で一緒のお墓にしたいと考える方が多くいらっしゃいます。
そこで今回は
夫婦で宗教・宗派が違っても1つのお墓に入る方法
を具体的に解説したいと思います。
異宗教夫婦におすすめのお墓
結論から言いますと、夫婦で宗教・宗派が違っていても一緒のお墓に入る事は可能です。
夫婦2人だけのために建てるお墓の事を「夫婦墓」(ふうふばか・めおとばか)といいますが、
異宗教夫婦の場合、この夫婦墓に「永代供養」の契約を結ぶのが1番おすすめです。
夫婦2人だけのお墓なので、納骨されるのは夫婦だけとなり、基本的には子供も親もそこには納骨されません。
自由度の高い選択肢が可能で、2人の話し合いでお墓の種類や埋葬方法も決める事ができます。
夫婦墓は基本的に「永代供養墓」
「夫婦墓」というのは先ほど説明したとおり、夫婦2人だけを納骨するお墓といいましたが、
「永代供養墓(えいたいくようはか)」というのは、
永代供養という「墓地の運営者がお墓を継ぐ人にかわって管理・供養をしてくれる契約」を結んだお墓の事を言います。
契約は、最初に費用一式を支払ってしまえば墓地運営者が管理・供養をしてくれるので、生前に契約ができて継ぐ人がいなくて無縁仏になる心配もありません。
夫婦墓というのは、一代限りのお墓となり、
- 子供がいない
- 子供がいてもお墓を継ぐのが難しい
- 子供にお墓の事で負担を残したくない
そういった理由から「子供に引き継ぐ事を前提としないお墓」なので、永代供養の契約を結ぶのが基本となっています。
夫婦墓にはどんな種類がある?
夫婦墓といっても、実はいろんな種類があります。
大きくわけて4つの種類があり、以下の通りとなります。
- 「墓石タイプ」…単独の墓石を建てて納骨
- 「納骨堂タイプ」…納骨堂に夫婦で遺骨を安置
- 「共同墓タイプ」…野外の大きな記念碑や塔の地下に遺骨を安置
- 「樹木葬タイプ」…墓石のかわりに樹木を墓標として遺骨を埋葬
夫婦墓はだれにも気兼ねせずに自分達の考えを尊重して決めることができるので、お墓のタイプを自由に選ぶ事ができます。
永代供養の契約をすれば、4タイプすべてが永代供養墓として墓守がいなくても
墓地運営者から管理・供養してもらえるので、お墓が荒れて放置されることもありません。
異宗教夫婦の墓地選びの注意点
異宗教夫婦の場合、寺院墓地は選ばずに公営墓地や民営墓地にお墓を設けるといいでしょう。
公営墓地(こうえいぼち)…〇
民営墓地(みんえいぼち)…〇
寺院墓地(じいんぼち)…×
公営墓地や民営墓地は「宗教不問」であることが多いので、お墓に対する宗教上のしきたりはありません。
寺院墓地だと、その墓地を運営するお寺の檀家になる必要があったり、墓石の形や刻む文字などに宗教・宗派に沿ったしきたりがある場合が多いので、異宗教夫婦には不向きな点が多いでしょう。
では、公営墓地と民営墓地についてもう少しお話ししたいと思います。
公営墓地や宗教・宗派不問の墓地を選ぶメリット
墓地というのは経営母体によって大きく「公営墓地」と「民営墓地」に分かれています。
自治体が運営する「公営墓地」なら宗教の規則がないので、夫婦で宗教・宗派が違っても問題ありません。
公営墓地というのは都道府県や市区町村の自治体によって管理・運営されているので、民営墓地に比べて永代使用料や管理料が安い所が多くて人気の墓地です。
ただし、募集時期が年に1回など決まっていて、申込資格は「その自治体に居住している」など各自治体によってさまざまな条件があります。
生前にお墓を建てておく「寿陵(じゅりょう)」を認めてない所も多いようです。
民営墓地には2種類あります。
公益法人や宗教法人が運営する「民営公園墓地」と寺院境内などにあるお寺運営の「寺院墓地」に分けられます。
異宗教の夫婦の場合、「民営公園墓地」がお勧めです。
先ほど紹介した自治体運営の公営墓地よりも種類や数も多く、取得が簡単な墓地です。
常時募集しているので必要な時に取得ができ、宗旨・宗派を問わないところが多いことから誰もが利用しやすい墓地です。
ただし、永代使用料や管理料は公営墓地に比べると割高で、墓地によって価格に大きな差があります。
まとめ
・宗教が違う夫婦が一緒のお墓に入る事は可能
・永代供養の契約をした夫婦墓がおすすめ
[夫婦墓には大きく分けて4タイプある]
- 墓石タイプ
- 納骨堂タイプ
- 共同墓タイプ
- 樹木葬タイプ
・墓地は宗教不問の「公営墓地」か「民営公園墓地」
・寺院墓地は異宗教夫婦には不向き
まだ先のことと思わず、お互いの宗教を押し付けずに話し合っておきたいですね。
実際にどんなお墓にするかで揉める場合も多くあると思いますが、やはり夫婦として一緒のお墓にしたいという方がほとんどです。
後悔しないように今回ご紹介した方法も参考にされてみて下さい。