今回は「離婚した人は実家のお墓に入れるか?」というお話しですが、
男性も悩みますが、特に女性側にとって大きな問題ですね。
結婚して名字が変わった場合、離婚してからもその姓を使い続ける人が多くいます。
そういった人は名字が違っても実家のお墓に入る事はできるのか?
ということで、
離婚者は実家のお墓に別性のまま入れるのか?
という悩みに「女性編・男性編」でお答えしたいと思います。
離婚して出戻りの女性は実家のお墓に入れる?
結論からいいますが、
法律上において、
離婚した女性が出戻りで実家のお墓に入るのは問題ありません。
先に答えを出しましたが、大丈夫なんです。
お墓に関する法律に「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」というのがありますが、
墓地、納骨堂又は火葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けた時は、正当の理由がなければこれを拒んではならない。 (13条)
という条例があるだけなので、お墓に関する法律上においても離婚して出戻った女性が実家のお墓に入る事は問題ありません。
離婚した人が実家のお墓に入る事を難しく感じる点としては、
「結婚した時に親の戸籍から外れたり、嫁いで相手の姓を名乗った」
という事から「自分は実家から出た人間」という感覚をもってしまうからだと思います。
離婚すれば相手方との縁も切れて元夫とは他人になるわけですし、法律上も問題ないので、慣習やしきたりを気にせずに実家のお墓に入る選択をして大丈夫なのです。
実家のお墓は結婚当時の姓でも入れる?
離婚後も結婚していた時の姓を使い続ける人が多くいらっしゃいますが、
・実家のお墓とは名字が違うから入れないのでは?
・旧姓にもどして同じ名字にしないとダメ?
といった疑問があると思います。
これについては
結婚当時の姓を使い続けていても、離婚後に旧姓に戻した人でも
どちらの名字でも実家のお墓に入る事はできます。
実家のお墓にはどちらの名字であっても関係なく入る事ができます。
これはお墓の管理規則の部分に
「通常、お墓の祭祀承継者の親族であればお墓に入ることができる」
とされているからです。
祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)というのは、お墓を守っている人や墓地の使用権をもっている人の事です。
法律や規則の部分は問題ありませんので、親族の方に相談するといいでしょう。
離婚した男性は実家のお墓に入れる?
男性の場合ですが、結婚しても姓が変わらない人が多いと思います。
特に長男だと先祖代々のお墓を継ぐ人が多いので、離婚してもそのまま実家のお墓に入る事で問題ないと思います。
次男以下の男性でも、自分でお墓を建てている人ならそのお墓に入れはいいのですが、
問題なのは、
・離婚後、長男だけど実家のお墓を継いでいない
・離婚後、次男以下で自分のお墓を建てていない
・婿養子などで女性側の姓を名乗り、離婚後も結婚当時の名字のまま
という人が実家のお墓に入れるかどうかです。
この場合も女性の時の考え方と同じように、「祭祀承継者の親族であればお墓に入ることができる」という管理規則から、実家のお墓に入ることができます。
ただし、法律上や規則の面では問題ないものの、実家のお墓に入るには親族間できちんと相談して祭祀承継者の了承を得る事が大切です。
親は「うちの墓に入っていい」と言ってくれるけど…
離婚して実家のお墓に入るとしても、お墓を継ぐのが他の兄弟だったりすると話が複雑です。
親が元気なうちは子供かわいさに
「うちの墓に入ればいいよ」
と言ってくれたとしても、親が亡くなったら事態は変わる場合が多いのです。
仮にお墓を継ぐ兄弟がいいと言っても、さらにその後を継ぐのは兄弟の子供達です。
・墓誌に旧姓ではない名前が彫られる…
・きちんと守ってくれるのか不安…
・供養や管理で負担になるのも申し訳ない…
そういった現実的な細かい問題の方が頭を悩ませます。
実家のお墓に入ることが問題なさそうならいいですが、もし実家に相談しづらかったり、了承を得られなかった場合でも他に方法は沢山あります。
新しくお墓を建てるのはお金もかかるし、継いでくれる人が必要なので大変ですが、永代供養墓というお墓だと、継承者がいなくても契約ができて供養や管理もしてもらえます。
お墓を建てなくても色んな選択肢がありますので、実家のお墓にこだわらなくてもいいようにいくつか手段を持っておくことをお勧めします。
まとめ
・離婚した女性も実家のお墓に入れる
・結婚当時の名字のままでも実家のお墓に入れる
・離婚した男性がお墓を継ぐ立場でなくても実家のお墓に入れる
・婿養子の男性が結婚当時のままの名字でも実家のお墓に入れる
・祭祀承継者の親族ならお墓に入れるが相談して了承を得ること
ここ数年の離婚率は3組に1組、少子化も重なって「お墓を継ぐ人がいない」「子供がいるけど負担をかけたくない」と言う人が急増しています。
「自分のお墓どうしよう…」と思った時に自分できちんと生前に考えておかないと、
残された人は遺骨をめぐって重い負担を強いられます。
親族に「実家のお墓に入りたい」意思表示だけでも伝えておくのも手です、もう少し他の方法を探したいという方は、お墓を建てるよりもはるかにお金がかからない「永代供養」もあるので調べてみてはいかがでしょうか?
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