報恩講(ほうおんこう)とは、
浄土真宗の門徒にとって、最大のイベントとなる
法要です。
おとりこし、お引上げ、ほんこさん、ごしょうき
など、さまざまな呼び方がありますが、
その由来と、各寺院や自宅で勤める法要のお話しも
ご紹介します。
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報恩講(ほうおんこう)とは??
浄土真宗の宗祖である
親鸞聖人のご命日
を縁として営まれる法事の事を
「報恩講(ほうおんこう)」と言います。
(親鸞聖人)⇩
この報恩講には大きく分けて、
次の3つがあります。
1・西本願寺(本山)での
御正忌報恩講
(ごしょうきほうおんこう)
2・お寺(一般寺院)での報恩講
3・各家庭での報恩講
があります。
2019年西本願寺の御正忌報恩講の日程はいつ?
浄土真宗の生みの親である親鸞聖人の
ご命日は、弘長2年の11月28日ですが、
新暦で言いますと、
新暦1263年
1月16日です。
浄土真宗・本願寺派の本山である
西本願寺では、1週間にわたる法要が
勤まります。
これを御正忌報恩講
(ごしょうきほうおんこう)といいます。
この期間は
1月9日~1月16日のご命日までで、
全国の門徒が西本願寺の御正忌報恩講に
お参りします。
また、各地の別院、全国の真宗寺院、
そして門徒の家庭では、そのご命日より早めに
報恩講をお勤めします。
西本願寺にたくさんのお参りがあることから、
各寺院や、家庭では先立って
前年の11月に報恩講を勤める場合が多いのです。
このことから特に、家庭の報恩講の事を
「おとりこし」「おひきあげ」
と呼ぶようになりました。
報恩講が始まったきっかけは親鸞聖人のひ孫だった
浄土真宗の門徒は、亡くなって700年以上も
経過しているのに、親鸞聖人を慕い続けています。
親鸞聖人は、90年の生涯をかけて、
真の人間らしい生き方、喜びのある人生を
示してくれたからです。
そのご苦労を偲び、その
ご恩に報い感謝する(報恩)集い(講)が報恩講なのです。
そして、最初の報恩講ともいえる
法要を行うきっかけとなったのは、
親鸞聖人が亡くなられて33回忌にあたる年に、
親鸞聖人のひ孫にあたる
覚如(かくにょ)上人
(本願寺3代宗主)が
親鸞聖人のお徳を称えるための
法要の儀式・作法を「報恩講式」という
書物にまとめられました。
(3代目宗主・覚如上人1270~1351)
それから、親鸞聖人の命日の法要を
「報恩講」と呼び、
毎年営まれるようになったのが始まりです。
報恩講の勤め方を紹介!
本山である西本願寺や一般寺院で行われる
報恩講には、積極的に参加しましょう。
もちろん、お説教もありますからお聴聞
しましょう。
用意するものは、他の法座と違いはありません。
(お念珠・門徒式章・聖典)
家庭での報恩講には、
1・お寺から全門徒宅にお参りがある場合。
2・地域で毎年当番があり、皆がそこに集い
お寺さんを迎える場合。
3・自宅で勤めてもらうよう、お寺に依頼する場合
があります。
1・2はお寺から日程の指定があるか、毎年同じ日程で
行われます。
3の場合は、あらかじめお寺に電話などでいらいする
必要があります。
もし、ご家庭で報恩講を勤めるのなら、
仏具のお飾りはなるべく5具足にしましょう。
ろうそくは赤の和ろうそくでも構いません。
打ち敷は金や朱の鮮やかなものにします。
法要は大体
「正信偈和讃」
が勤まります。
その後
「御文章」
の拝読。
法話をされることも多いです。
お斎(とき)と呼ばれる美味しい精進料理をいただけます
地域や、お寺の習慣によって報恩講の終了後、
または法座と法座の間などにお斎(とき)
が出されることがあります。
親鸞聖人のご命日ですから、精進料理です。
東本願寺(真宗大谷派・お東)
での報恩講では3000食の
お斎が用意されるそうです。
親鸞聖人が生前好まれたという餅・団子
小豆(あずき)などを含み、
その土地の名物を使う事が多いようです。
使う器や、料理の内容は、各地で様々です。
門徒は何百年も受け継がれてきた伝統の
料理を頂き、親鸞聖人の教えに触れ、
喜びを再確認しながら頂きます。
まとめ
新しく門徒になりたての方にとっても、
報恩講は沢山の方がお参りする
一大イベントですので、
お寺に馴染みのない方も、まずは
報恩講へお参りされてはいかがでしょうか?
地域によって様々な呼び方のある報恩講ですが
それほど門徒にとっては身近で大切な
法要ということです。
他にも浄土真宗の年間行事としては
こちらにまとめてあります。
⇩
西本願寺やお寺の年間行事は?初めて行くのにおすすめの法要とは?
法座(ご住職等のお話し)では、本当に
勉強になるお話しもお聴聞できるかと
思います。
まずは、ご自身のお世話になっているお寺
(手次ぎの寺)へ報恩講の日程を確認されて
お参りいただく事をおすすめします。