葬儀後には法事をするようだけど、何もかもさっぱり分からないという方の為に、
この記事では浄土真宗の方にむけて「法事とはいったい何?」といった内容でお話ししたいと思います。
- 法事は何のためにする?
- 法事ではどんなことをする?
- 法事にはどんな種類がある?
- 何回忌まですればいい?
このような疑問をとりあげながら
法事・法要の基礎知識
ということで、初七日~回忌法要といったすべての法事についてもご説明していきます。
浄土真宗の法事・法要とは
まずはじめに法事と法要の違いについてですが、
- 法事=お寺さんの読経から会食までのすべての一連の行事
- 法要=仏前で行う読経などの儀式のこと
となり、法事の方が法要を含めた幅広い意味になります。
浄土真宗の法事の意味
浄土真宗の法事は生きている私達が仏の教えを聞く場であるという意味があり、
亡くなった方の冥福を祈ったり、成仏できるようにと供養するためのものではありません。
よく聞く法要の意味として、
「法要を営むことによって、それが故人の善い行いとなり、極楽浄土へ行くことができる」
といった内容を聞いたことがあるかもしれませんが、
浄土真宗では往生成仏といって、この世の命を終えると、阿弥陀如来のお浄土の世界に生まれてただちに悟りに導かれる
とされているので、すでに極楽浄土に生まれ還った故人には供養は必要ないというわけなのです。
しかし、共に人生を過ごした大切な人との別れは、そう簡単に割り切れるものではないですよね?
「もう二度と生身の人間として会う事ができなくなった」という厳しい現実に襲われることもあると思います。
この世の方が迷いと苦しみに満ちているから、法事を行って仏縁にふれましょう
というのが浄土真宗の法事の目的です、
法事を行って救われるべきは、故人ではなく生きている人間ということになります。
法事とは実際に何をするの?
故人やご遺族の自宅、もしくはお寺で法事を行う場合もあります。
遺族や親戚が集まって
・全員で読経
・お焼香
・法話(お寺さんからのお話し)
・お斎(法要後の会食)
といった流れが一般的ですが、最近ではお斎を省略する場合も多く、縮小傾向のようです。
法事の種類について
では、法事にはどんな種類があるのかを
- 亡くなられてからの1年間
- 亡くなられてまる1年以降
の期間にわけてご説明します。
亡くなられてからの一年間にある法事
初七日・しょなのか | 命日からまる6日 |
---|---|
二七日・ふたなのか | 初七日の1週間後 |
三七日・みなのか | 二七日の1週間後 |
四七日・よなのか | 三七日の1週間後 |
五七日・ごなのか | 四七日の1週間後 |
六七日・むなのか | 五七日の1週間後 |
49日(満中陰) | 六七日の1週間後 |
百か日・ひゃっかにち | 命日を入れて100日目 |
初盆・はつぼん | 初めて迎えるお盆 |
亡くなられてからの一年間の法事については以上のようになりますが、それぞれをもう少し解説していきます。
初七日
初七日は葬儀後に初めて行われる命日を入れて七日目にあたる法事です。
亡くなってから1週間ごとに「七日参り」という法要が始まりますが、この最初の法要が初七日にあたります。
この七日参りを7回行うと7×7=49となり、49日法要へとつながっていくのですが、
葬儀を終えてすぐに迎える法事ということもあり、
遺族の負担や、またすぐに親戚に集まってもらう事を考慮して、
葬儀当日に初七日も一緒にしてしまうケースも多くあります。
本来の初七日の意義からは間違いですが、
葬儀当日に初七日も勤めることによって、できるだけ多くの方に仏縁を結ぶことができるとして、容認するお寺さんもあります。
ただ、お寺さんによっては当日の初七日は絶対に行わないように指導される場合もあるので、そこはよく確認しておいた方がいいでしょう。
↓初七日以降の法事↓
・二七日…初七日の1週間後
・三七日…二七日の1週間後
・四七日…三七日の1週間後
・五七日…四七日の1週間後
・六七日…五七日の1週間後
二七日~六七日については、私(当サイト管理人)の実家では、お寺さんに自宅まで来ていただいて家族でお勤めしました。
地域によっては身内だけでお勤めする場合もあるようなので、まずはお寺さんに相談してみましょう。
四十九日(満中陰)
亡くなった日から7週目を49日または満中陰と言います。
けじめの法要として、四十九日は重要視される法要です。
親族に案内を出して法事を執り行います。
百ヵ日
命日から100日目に行う法要を百ヵ日といいます。
地域によっては行わないこともあるようですし、法事の規模も地域差がそれぞれです。
お寺さんや地域の人に確認してみるといいでしょう。
初盆
亡くなって初めて迎えるお盆の法要です。
まだ七日参りの最中にお盆を迎えることもあると思いますが、その時には翌年を初盆としてもいいでしょう。
お寺さんや地域によっては、お盆の期間に各家をまわってお勤めする習慣や、
初盆を迎える方々の合同の法要を行うお寺もあるようなので、分からなければ確認しておきましょう。
亡くなってから1年以降の回忌法要とは
1周忌 | 命日からまる1年 |
---|---|
3回忌 | 命日からまる2年 |
7回忌 | 命日からまる6年 |
13回忌 | 命日からまる12年 |
17回忌 | 命日からまる16年 |
25回忌 | 命日からまる24年 |
33回忌 | 命日からまる32年 |
50回忌 | 命日からまる49年 |
100回忌 | 命日からまる99年 |
ここからは、命日からまる1年を迎える法要にかわります。
法事の日程は命日を過ぎてはいけないと言われますが、親族が集まる事を考えれば、日程が前後することは仕方ないでしょう。
お寺さんに予定を伺い、みんなの集まりやすい日程を調節しましょう。
では、命日からまる1年以降の法事についてもう少し説明していきます。
1周忌
命日からまる1年の法事です。
一年という節目の法事となるので、親戚に案内を出して大きめの規模で法事をするのが一般的です。
命日ちょうどに法事をするのが基本ではありますが、できるだけみんなが集まりやすい日という配慮で
命日に近い休日に法事を行うケースが多くなっています。
3回忌
命日からまる2年の法事です。
1周忌と3回忌で、2年続けて法事を行うことになります。
一般的には3回忌までは親戚に案内を出して法事を行う家庭が多いようですが、
このあたりから身内だけで法事を行う場合もあるようです。
7回忌
命日からまる6年の法事です。
7回忌法要あたりから、身内だけで行うなどの規模の小さい法事に切り替わる事が多いようです。
浄土真宗では、7回忌からは悲しみが明けたとして、お仏壇に赤い花や赤いろうそくを飾ってよいとされる区切りの法要となります。
この時期からは平服で法事を行うことも増えてきます。
13回忌
命日からまる12年の法事です。
昔からお寺との縁の深いご家庭なら、13回忌も普通に行うと思いますが、
私の周りでは、13回忌まで法事を行っている方はあまりいない印象です。
17回忌
命日からまる16年の法事です。
私の母方の祖父は17回忌が最後の法事でした。
家を継ぐ人がおらず、法事そのものができない状態になり、母方の親戚で集まったのもこの時が最後となりました。
終わってみると、法事は何かと大変ではあるものの、みんなが集まる大切な機会だったんだなと思わされます。
25回忌
命日からまる24年の法事です。
お年を召してお亡くなりになった方の法事だと、ご遺族も高齢になり、若い世代の人の協力がないと法事を行うのも難しくなってくる時期ですね。
浄土真宗では23回忌・27回忌は行いませんが、地域によっては行う場合もあるようです。
33回忌
命日からまる32年の法事です。
一般的にはこの33回忌を「弔い上げ」として盛大に行い、これをもって法事を終えるという節目とされています。
しかし、浄土真宗ではあくまでも法事は生きている人間が仏縁にあう機会であるとされているので、
「法事はこれにて終了」という期限は存在しないとされています。
しかし、現実的にはずっと法事をつづけるのは不可能なので、区切をいつにするかはご遺族が判断されてもいいと思います。
50回忌
命日からまる49年の法事です。
私の曾祖母(ひいおばあちゃん)の50回忌法要を実家で行いました。
私の生まれる前に亡くなっているので、写真や話でしか知りませんが、祖母からよく話を聞いていたので、わりと近しく感じる存在です。
100回忌
命日からまる99年の法事です。
実は100回忌も経験しています。
先ほどの曾祖母の50回忌と、幼くして亡くなった祖父の兄弟の100回忌を2つ一緒に行いました。
- 実家は古い農家
- お寺とのお付き合いが長い
- 信心深い(特に私の母が)
といった条件なので、こんなにもずっと法事をしつづけているのだと思います。
ここまで法事を行うのは稀ですが、ちなみに100回忌以降は50年ごとに法事を務めることになります。
まとめ
・浄土真宗の法事は生きている人が仏縁にふれる機会である
[亡くなられてから1年間の法事]
・初七日~六七日
・49日(満中陰)
・百か日
・初盆
[亡くなられてからまる1年以降の法事]
・1周忌
・3回忌
・7回忌
・13回忌
・17回忌
・25回忌
・33回忌
・50回忌
・100回忌
・一般的な法事の区切りは33回忌だが浄土真宗には法事の区切りはない
・法事をいつ区切るかはご遺族の判断で
命日からの1年間は慌ただしい時期ですが、お仏壇のこと、お墓のことなど、法事以外にも考えることがたくさんあって大変だと思います。
ご自宅で法事をするのが難しければ、お寺で法事をさせていただく方法もあります、
困ったときにはご家族だけで悩まずに、お寺にも相談してみることをおすすめします。