お墓参りに行った人なら多くの人が目にする「家墓」ですが、
墓石の正面に「○○家之墓」といった彫刻がされているようなタイプです。
では、この家墓というのがどんなものか?継ぐ人は長男や家族以外でもいいのか?といった
家墓の意味や特徴・継ぐ人の決め方
をわかりやすくお話したいと思います。
[家墓(いえぼ・いえばか)]とは?
まず読み方は、家墓(いえぼ・いえばか)と読むことが多いです。
これは代々家族で入るお墓なので、多くは墓石に家名を刻んで家族の遺骨を1つのお墓に埋葬します。
「○○家之墓」「先祖代々之墓」といったものが家墓に分類されるでしょう。
親から子へ、子から孫へと受け継がれていくので継承者がいないと建てる事ができません。
例えば、墓地の契約の時に継承者がいることが条件だったりします。
家墓は建てる人が減少傾向にある
このような家墓が普及し始めたのは明治時代中期からで、それまでは土葬と個人墓が主流でした。
人口増加に伴う埋葬スペースの不足から、火葬と家墓が広まっていきますが、地方にまで普及したのが昭和30年以降なので家墓というのは意外と歴史が浅いお墓という印象です。
継承者がいてこそのお墓なので、少子化の現在では新しく家墓を建てる人が少なくなっています。
なので、家墓はずっと同じ土地で代々暮らす人には向いていますが、そうではない家族には建てるには不向きだと言えます。
お墓を継ぐ人の決め方~長男が継ぐもの?~
昔から一般的に「代々長男がお墓を継ぐ」というイメージですが、確かに現在もお墓は長男が継ぐ場合が多いです。
しかし、その他の家族や親族でもお墓の継承者になる事は可能です。
特に決まったルールや法律もないので、法的な手続きも必要ありません。
お墓を継ぐ人はどうやって決まる?
結論から言えば、法律上ではお墓は誰が継いでも構いません。
たとえば、今現在お墓を管理しているのが「父親」だとします。
その父親が長男に向かって「お墓や仏壇を継がせる」と指定すれば、指定された長男は「祭祀承継者(さいししょうけいしゃ)」となります。
これは口頭や遺言状でも有効です。
指定されたら辞退できないとされていますが、継承後に祭祀財産を自由に処分することができます。
では、誰がお墓を継ぐのか指定されていない場合はどうなるでしょう?
その場合は慣習によって決めるとされており、家族や親族の話し合いによって決める事が多いようです。
それでも決まらない場合には家庭裁判所の調停や審判によって決めます。
法律上では誰が継いでも構わないお墓ですが、墓地によっては継承者を血縁のみと指定していたり、
寺院墓地では檀家にならなければいけない所もあるので、その場合だと継承者の宗教・宗派などが違ったり無宗教だと継ぐことが難しくなってしまいます。
お墓を継ぐ人の決め方は、お墓に関っている家族・親族などの中から指名されたり、話し合いによって決まる事がほとんどだと言えるでしょう。
まとめ
・家墓とは1つのお墓に家族が一緒に埋葬され、多くは「○○家之墓」と文字が彫刻されたタイプのもの
・代々継ぐ人が必要で、墓地契約では継承者がいる事が条件という場合がある
・法律上、お墓は誰が継いでも問題ない
・お墓を継ぐ人の決め方は、そのお墓に関わる家族や親族の中で指名されたり話あいによって決められる場合が多い
よく「お墓は長男が継ぐ」といった暗黙のルールがある印象ですが、決して長男だから継がなければいけないという事ではありません。
しかし、土地をもって代々その場所で農業などをしているような家系だと、当たり前のように長男が家・土地・墓を継ぐといった慣習が強い場合もあります。
新しく家墓を建てるなら、しっかりとお墓に対する愛着と責任も代々継げるようにする事が大切です。
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