枕経

枕飾りとは?正しい準備方法・浄土真宗に必要ないものとは?

故人がお亡くなりになってお通夜・葬儀が行われるまでの間、自宅や安置所でご遺体を安置するのが一般的です。

そのご遺体の枕元に今回ご紹介する「枕飾まくらかざり」が置かれますが、何の為に用意するのかご存じでしょうか?

現在は葬儀社に枕飾りを依頼する方がほとんどだと思いますが、正しい知識があればセット内容を確認する際にも、宗派に不必要なものはきちんと断ることができますね。

今回は

浄土真宗本願寺派の正しい枕飾りの方法と実は必要ないもの

ということで、

臨終勤行りんじゅうごんぎょう(枕経)を行うについての「枕飾まくらかざり」の方法について、浄土真宗本願寺派の正しい準備方法や、よくある間違いもあわせてご紹介します。

枕飾りとは?準備する意味や理由

枕飾りとは、通夜までの間に故人の枕元に用意されるものですが、何の為に設置するのか?と言うと「通夜までの間の臨時の礼拝施設」という役割があります。

ご臨終から通夜までの間に訃報を聞いた方が弔問に訪れることもあるので、簡易的な祭壇として枕飾りを用意します。

個人的には、故人の枕元で香を炊いたり、しきみという香りのある葉を生けることから、死臭を消す役割にもなっているのかな?と思うのですが、本来の意味としては「簡易の祭壇」という事になります。

浄土真宗本願寺派の枕飾りに必要な準備

白い布を被せた台に右からろうそく立て・香炉・花瓶が置かれた図浄土真宗本願寺派の枕飾まくらかざりは、小さな机に白い布を掛けて、その上に

・向かって右にろうそく立て
・中央に香炉
・向かって左に花瓶(しきみか青木)

以上の三つを用意します。(これらを具足ぐそくといいます。)

お仏壇のある家庭なら、ろうそくを灯して香を焚き、花瓶は生花からしきみか青木のものに変えておきます。(※お仏壇の扉は閉めません)

本来の枕飾りでは花瓶にしきみを生けますが、最近は生花(白い菊)なども見かけられます。

葬儀社が用意したものが生花であっても気にしなくて大丈夫です。

※まだお仏壇の無いご家庭の方⇩⇩

浄土真宗の仏事はすべてご本尊を中心に行われるので、お仏壇の無い家庭の場合には先ほどの枕飾りに加えて「ご本尊」も用意します。
(※ご本尊の準備はお寺もしくは葬儀担当者へ聞いてみましょう)

ご遺体を安置する手順や方法

ご遺体を納棺のうかんするまでは、北枕きたまくらといって頭を北の方に向けて寝かせます。

この北枕というのは、お釈迦しゃか様の入滅にゅうめつの姿勢(お釈迦様が亡くなった時の姿勢)にならったものですが、部屋の都合で北枕が無理な場合はこだわる必要はありません。

敷布団や掛布団(薄手のもの)なるべく白で清潔なものを使用

北枕きたまくらといって頭を北の方に向けて寝かせる

手は胸の上に組んで念珠ねんじゅをかける

顔は白さらしの面布めんふで覆う

注意!浄土真宗本願寺派に必要ないもの

✖水や湯茶器のお供えはいらない
✖一膳飯や団子は必要ない
✖友引などの日の吉凶は気にしなくていい
✖魔除けの守り刀はいらない
✖逆さ屏風びょうぶや衣服を逆にかぶせるなどの迷信はやらない
✖塩をまくなどの清めは必要ない
旅装束たびしょうぞくといった恰好をする必要はない

旅装束や枕団子といった浄土真宗には必要ないもののイラスト

なお、俗に言う死装束しにしょうぞく旅装束たびしょうぞくといった「経かたびら・手甲・脚半きゃはん足袋たび・わらじ・頭陀袋ずだぶくろ天冠てんかん(三角の頭巾ずきん)・つえ・六文銭・守り刀」といった、冥途めいどの旅支度を故人にする必要はありません。

浄土真宗では、阿弥陀如来のおはたらきによって「命が終わるとすぐに極楽浄土へ仏として生まれ還る」という教えなので、このような支度は必要ないということです。

まれに葬儀社が旅装束の用意を聞いてくる事がありますが、余計な料金がかかりますし、浄土真宗の教えにはそぐわないので断りましょう。(実際に祖母の葬儀の際に旅装束の用意するか聞いてこられた経験があります)

※すでに葬儀を終えて読まれている方で、あの時間違えてしまったと思う方もいらっしゃると思いますが、あまり気にする必要はありません。故人に何か良くない影響があるかも…といった事も心配しなくても大丈夫です。

納棺の際には何を着せてあげればいい?

服装については、故人が愛用していた服などを着せますが、

納棺の際に足元に服を綺麗に畳んで入れてあげてもいいと思います。

当サイト管理人の祖母の出棺の際には、綺麗な着物を広げてかけてあげて、それから花をみんなで置いていきました。

まとめ

[浄土真宗本願寺派の枕飾りに必要なもの]

・向かって右から「ろうそく立て、香炉、花瓶」

・花瓶にはしきみを生ける(もしくは菊など)

・まだお仏壇が無いなら枕飾りにご本尊も準備する

・綺麗な白い布団、北枕(無理ならしなくていい)、胸の上で組んだ手に念珠をかける、顔を白さらしの面布で覆う

・浄土真宗の教えに必要のない準備はしなくてよい

日常には出てこない難しい事ばかりでネットなどで検索する事もあると思いますが、その場合に注意していただきたい点があります。

それは、大まかに「仏教」というくくりで解説してるものが多いので、浄土真宗とは色々と違う内容が載っているものも多いという事です。

その内容が自分の宗派にきちんと対応しているか気を付ける必要があるので、分からない事を調べる際には宗派名をいれて検索することをお勧めします。

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