「チコちゃんに叱られる」でも紹介された、誰もが知ってるようでしらない疑問がよくわかる、十五夜の「月うさぎ伝説」のお話をご紹介します!
月うさぎ伝説~うさぎが月にいるのはなぜ?~

むかしむかし、インドという国に、サル、キツネ、ウサギが暮らしていました。
3匹はいつも
「あ~あ、こんな動物の姿はイヤだな~」
「悪いことをしたから動物になったのかな~?」
と話していました。
そこで3匹は、
「そうだ!だったらこれからは、せめて誰かの役に立つことをしよう!」
と決めました。
そんなある日、3匹は疲れ果てたおじいさんに出会います。
おじいさんはお腹が空いて動けません。
おじいさんは言いました。
「何か食べるものはないかの~?」
その言葉を聞いて、
「やった!役に立つことができる!」
と、3匹はおじいさんのために、すぐに食べ物を探しに行きました。
サルは木に登って色々な果実を取ってきて、おじいさんにあげました。
キツネは川に行って、魚をたくさん取って、おじいさんにあげました。
しかし、ウサギは一生懸命がんばって探しても、何も持ってくることができません。
そこで、考えたウサギは覚悟を決めて
「もう一度食べ物を探しにいくので、火を焚いて待っていてください」
とみんなに伝えて、もう一度出かけていきました。
サルとキツネは火を焚いて待っていたところ、ウサギが帰ってきました。
ところが、ウサギは何も持っていません。
サルとキツネは言いました。
「せっかく火を焚いて待っていたのに、何も食べ物を持ってこないなんて!この嘘つきウサギ!」
すると、うさぎはこういいました。
「わたしには食べ物をとる力がありません。ですからどうぞ、このわたしをさしあげます!」
そう言って火の中に飛び込み、 自分の体をおじいさんにあげてしまいました!
実は、お腹を空かせていたおじいさんの正体は神様で、すぐに帝釈天(たいしゃくてん)の姿に変身してこう言いました、
「お前たちの優しい気持ちはよくわかった!
こんど生まれ変わるときには、3匹とも人間にしてやろう、それにしても、うさぎには可哀想なことをした。
空の月の中に、この優しいウサギの姿を永遠に残してやることにしよう!」
と言ったのです。
それからというもの、月の中にはウサギの影が見られるようになりましたとさ。
おしまい。
物語には諸説ありますが、この「うさぎ」というのがお釈迦様の前世の姿で、
お釈迦様の前世の物語は、インドの仏教思想の「ジャータカ」に由来するもので、ジャータカ物語とも呼ばれています。
うさぎが月でお餅つきをする理由

「うさぎが月でお餅つきをする」に関しては、中国の神話がもとになっている等、諸説あります。
日本では、お米の収穫と、秋の十五夜の時期が近いことから、
たくさんのお米が採れたこと(秋の収穫)に感謝をする
といった意味もあるようです。
お月見(十五夜)にお団子をお供えする理由

今や定番となっている「お団子」ですが、日本でお月見が始まった平安時代は、違うものをお供えしていました。
それは里芋です。
このお月見の本当の目的は、その年の作物の収穫を感謝する行事だったため、
平安時代当時によく収穫されていた里芋がお供えされていたんですね、
現在も、お団子だけではなく、ほかの野菜や果物をお供えするところもあるようです。
たとえばブドウのように、クルクルとつるを伸ばして成長する果物は、 月と人の結びつきを強くしてくれるという意味が込められており、縁起が良いとされています。
時代とともに、今では秋の収穫は日本人の主食である「お米」が里芋にとってかわり、お米で作ってまんまる満月に似せた、お月見団子が登場した訳ですね。
お月見(十五夜)にススキを飾る理由

すすきはどうして飾るのかと言うと、お月見の頃にすすきがたくさん生えており、
それがお米の稲穂に似ているということから、お供えされるようになったと言われます。
すすきにはその他、鋭い葉っぱで悪いものを寄せ付けないとして、 魔よけの意味もあります。
まとめ

日本の伝統行事を調べてみると、仏教につながるものがけっこう多くありますね。
仏教が浸透していない国では、月の模様がうさぎ以外のものに例えられるのも興味深い部分です。
十五夜は特別に、部屋の灯かりを消して家族でおいしいお団子を食べながらお月見をされるのも素敵ですね!
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