お墓

無縁仏になって墓石が処分されるまでの期間は?遺骨はどうなる?

雑草は伸び放題、墓石は苔まみれ、

先祖の遺骨が埋葬されたお墓は、お参りする人や管理・供養してくれる人がいなくなると悲惨な状態になります。

お墓を継ぐ人がいなくなり、そのまま放置するといわゆる無縁仏(墓)と呼ばれますが、

今回のお話しは

無縁仏になって墓石が撤去されるまでの期間と遺骨の行方

ということで、放置されたお墓がどのような手順と期間を経て、最終的にどうなるのかをお話ししたいと思います。

無縁仏とは?

無縁仏は別名「無縁墓」ともいわれます。地方によっては「無縁さん」と言ったりしますが、

  • 後継ぎのいないお墓
  • お墓の関係者に連絡のつかないお墓
  • 管理料の未納が続いているお墓
  • 自宅の敷地内に建てられて放置された家墓
  • 山道などに点在する行き倒れの人を祀った無縁墓

など、このようなお墓をまとめて「無縁仏・無縁墓」と呼びます。

無縁墓はここ数年で急増しており、お墓を継いで代々管理することが現代人の生活にはとても難しいことが伺えます。

墓地埋葬法施行規則では、「無縁墳墓」という言葉が使われていて、「死亡者の縁故者がいない墳墓又は納骨堂」と定義されています。(墓埋法施行規則3条)

無縁墓になってから墓石が処分されるまでの期間は?

墓地によって違いがありますが、多くの墓地では管理料の未納が3年以上続くといわゆる「無縁墓」として認定されてしまいます。

そして、ここから無縁墓の縁故者探しがはじまります。

捜索方法その①

無縁墓になると縁故者などに向けて「1年以内に申し出て下さい」と全国紙や官報に掲載して呼びかけます。

※官報とは政府が一般国民に知らせる必要のある事項を編集して毎日刊行する文書の事です。「インターネット版官報」と検索すると閲覧可能です。

捜索方法その②

無縁墓の敷地内などの見やすい場所に「所有者の方は名乗り出て下さい」と立て看板をして公告します。

捜索方法その③

お墓のある自治体に「こういう人がいたら名乗り出て、連絡をくれるようにお伝えください」という届け出をだします。

このような方法でお墓の関係者を探しはじめてから1年以内に連絡がつかなかった場合、申し出が無いとお墓を自由に処分してよい(改葬)ということになっています。

以上のことを踏まえると、

・墓地の管理料の未納が3年以上で「無縁墓」と認定される

・無縁墓になってから①~③の捜索方法で
1年以内に申し出がなかったら墓石を処分される

ということから、

お墓を放置してから最短で4年くらいで処分されることになります。

特に民営霊園では無縁墓に対して事務的に淡々と手続きを進めるのが普通で、期間を過ぎるとあっという間にお墓を処分されてしまいます。

逆に、寺院墓地などのお寺の境内に建ててあるお墓だと、お寺側の善意から期間を過ぎていても目をつぶってくれることろもあるようです。

無縁墓の処分で遺骨はどうなる?

無縁墓となってから申し出の無い場合、順を追って手続きがされたあと、

墓石は最終的に解体・撤去されます。

お墓があった場所は墓地運営者の権限で更地にされるケースもあり、元の状態へと整えられるのです。

中に入っていた遺骨は「無縁塚」などに入れられて、その多くは見ず知らずの血縁関係の無い他の利用者の遺骨と一緒に埋葬されることになります。

これを合祀(ごうし)または合葬(がっそう)と言いますが、決して粗末な扱いではなく、遺骨はこれからは合同で供養・管理される形に変わったと考える事もできます。

合祀された遺骨は取り出す事はできませんので、もし無縁墓になりそうなお墓がある場合には早めに対処する必要があります。

撤去された無縁墓(墓石)はどこへ?

実は、無縁墓として撤去された墓石の一部は処理業者に持ち込まれて粉砕され、道路の砂利などに再利用される事があります。

しかし、その処理費用は「1トンあたり5千円~1万円」ほどかかるために

処分されずに不法投棄されたりするケースも多くあり、撤去された墓石はその行き場を失っていることから大きな社会問題となっています。

まとめ

[無縁仏・無縁墓とは]

  • 後継ぎのいないお墓
  • お墓の関係者に連絡のつかないお墓
  • 管理料の未納が続いているお墓
  • 自宅の敷地内に建てられて放置された家墓
  • 山道などに点在する行き倒れの人を祀った無縁墓

・多くの墓地では管理料の未納が3年以上続くと「無縁墓」とされる

・お墓の関係者を探し始めて1年以内に連絡がつかないとお墓は処分される

・墓石は撤去、墓地は更地にされて遺骨は合祀される

・墓石は道路の砂利として使われるがそれはほんの一部

将来的に自分の家のお墓が「無縁墓」になってしまいそうな場合、

「墓じまい」も検討しましょう。墓地側で勝手に合祀される心配もなく、お参りのしやすい近い場所への改葬も可能です。

継ぐ人を必要としない「永代供養墓(えいたいくようはか)」などに遺骨を移せば

継承されなくても遺骨をまかせることができるので安心です。

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