この記事では、
浄土真宗のお盆(初盆)の
お仏壇のお供えや準備方法、
そして「お盆」そのものを浄土真宗ではどのように
迎えるのか?
8月に入ると、「お盆」を迎える準備で
忙しくなりますが、
みんなが当たり前に思っているお盆の光景は
浄土真宗には該当しません。
今回は、浄土真宗のお盆の準備や迎え方、
ナス・キュウリ・迎え火・送り火についても
お話ししたいと思います。
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お盆には地獄の釜のフタが開く!?
「お盆には地獄の釜のフタが開いて、
ご先祖が帰ってくる」
といった話を聞いたことがありますか?
もうすでに、ご先祖様が地獄にいるという前提で
話が進んでしまうのですが‥。
何でも地獄の釜とは、地獄で罪人を煮る為の釜なのだそうです。
そして、その怖~い釜の蓋が開くのが
お盆の8月16日で、
その日は開いた釜の中から罪人達が子孫の家へ
帰り、一時の帰省を楽しむ日とされ、
「地獄の釜の蓋が開く」という言葉の意味は、
その日は鬼でさえお休みするから
人間も仕事はせずに休みをとりましょう
という使われ方をするのですが、
これらの話は神道から来るものであって、
仏教の教えにはそぐわない話です。
神道では「霊」を肯定しますが、
仏教は「霊」を否定します。
「ご先祖様の霊が帰ってくる‥」
というワードはあくまでも神道が由来の
話だと思ったほうがいいでしょう。
浄土真宗はナスやキュウリで動物を作らない
本題のなす・きゅうりのお話ですが、
そもそも、この飾りは「精霊馬」と言って、
きゅうり=足の速い馬
なす=足の遅い牛
に見立てて割り箸を足にしてなすやきゅうりに差して作ります。
ご先祖がきゅうりの馬で早く我が家に帰れるように。
お盆が終わったら名残惜しくもなすの牛で
お供えを積んでゆっくりあの世へ戻られるように。
という意味があるのだそうです。
しかし、先程も話したように
そもそも浄土真宗は特に「霊」は無いとする宗派
なので、当然ながら先祖の霊もありません。
だから、なすやきゅうりで精霊馬を作って飾ることをしません。
浄土真宗では亡くなった人は極楽浄土にいる
じゃあ、浄土真宗ではご先祖様がいないの?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、
浄土真宗では、亡くなった方は
浄土(極楽浄土)という
阿弥陀如来(あみだにょらい)の世界に生まれられます。
「お盆になると○日にご先祖が帰ってきて○日にあの世へ行く」
というのは迷信とされ、霊や祟りも存在しないとされます。
浄土真宗では亡くなった方が
あの世とこの世を行ったり来たりするのではなく、
極楽浄土という世界は
この世まで含んだ世界なので、目には見えなくても、
いつも私たちの側で
仏縁を結ぶはたらきとなっていらっしゃいます。
浄土真宗は迎え火・送り火もしません
ここまでお話すると、浄土真宗には
当然「迎え火や送り火」も必要ない
のがお分かりいただけると思います。
迎え火は戻ってくる先祖の霊が迷わない為の目印で、
迎え火は先祖の霊を送りだす為に
「あの世へ戻る日ですよ」と知らせる役割もあるようです。
しかし、浄土真宗の教えには当てはまりません。
迎え火や送り火は
地域の伝統行事として根付いている
ということの方が多いのではないでしょうか?
日本のお盆の恒例行事的な要素も強くあり、
宗派関係なく行う場合もあるようです。
浄土真宗のお盆に仏壇に飾るもの
浄土真宗のお盆は特別なことはしませんが、
お仏壇のお飾りとしては
・仏飯
・五具足
・打敷
・お餅
・お菓子、果物(お盆なら落雁や桃、ぶどうなど)
・新しいろうそく
以上、これらの飾り方はこちらの記事に全部まとめました!
⇩
浄土真宗・初盆のお仏壇お飾りの図!お菓子果物のお供えはどこに置く?
仏花は初盆なので基本的には白などの色を
使った花にしましょう。
ひまわりがあっても大丈夫ですが、
赤い花は七回忌以降のほうが無難です。
お花の用意が不安な方は、お近くの生花店に
お盆用のお花をおまかせで作ってもらえるネット注文の方法もあります。
⇩
初盆・法事のお供え花を贈る相場は?ネット通販口コミ1位は?
お盆なら盆提灯を飾る人もいると思いますが、
これもお盆の楽しみとして飾ってもいいと思います。
(盆提灯に仏教的根拠はありませんので自由な判断でいいと思います。)
お寺でお盆の法要があるところは、
門徒がお寺に参ったり、
地域によっては、
お寺さん(ご院家さん)が門徒の家々をまわったりと、
お盆の過ごし方は色々あります。
初盆を迎える方はこちらもご参考にされて下さい
⇩
浄土真宗の初盆のお布施の金額・相場はいくら?お車代は?
夏の法事(初盆など)喪服は半袖でもいい?男性・女性・子供の服装画像
まとめ
日本の「正月・盆」は
大きな国民的連休ということもあり、
夏のお盆にはその家々での伝統行事や過ごし方が
あると思います。
しかし、
自身の宗派にあわない俗習や風習を
お盆をきっかけに知る事も大切ですね
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