お仏壇へのお荘厳(しょうごん=お飾り)に
最も基本的な3つの仏具があります。
香・花・灯の三具足(みつぐそく)と言って、
香炉・花瓶・ろうそく立ての3つです。
今回はその中のろうそくについて
お話ししたいと思います。
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お仏壇にお参りする時は必ずろうそくに火を
つけますが、
この当たり前にしている事には
実は、きちんとした意味があるのです。
お仏壇のお荘厳(しょうごん=お飾り)の
基本は先ほども言いましたが、
香・花・灯の3つです。
その中の「灯」であるろうそくは、
単にお仏壇の中を明るくするため
ではありません。
よく考えられがちな答えとして、
「お経を読む際のあかりとしてろうそくが
使われていた。」
というのも違います。
確かに昔はろうそくのあかりで本を読んだり
していたことから、説得力はあるのですが、
本来の、お仏壇のろうそくの火の意味ではありません。
火がもつ意味とは?
お仏壇が金色であんなに豪華なのは
極楽浄土を表していると書いたことが
ありますが、
(以前の記事)
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お線香をたいたり、お花をいけたり、
ろうそくを灯すのは、単なる飾りではなく、
お仏壇に安置してあるご本尊の阿弥陀如来を
美しく飾り、その阿弥陀如来が私へと向けて
下さっている「お心」を深く味わう上での
お飾りなのです。
(ご本尊の阿弥陀様の「お心・願い」については
こちらをご参考にされて下さい)
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ですから、ろうそくの火も確かに
私自身がつけるのですが、
ついた火は「阿弥陀如来のお徳である」と
味わう事が大切になってきます。
どういうことかと言いますと、
ろうそくには2つの面があります。
1つ目は光です
周囲を明るく照らす光は、
阿弥陀如来の智慧を象徴すると言われています。
心の奥底までも知り尽くし、どろどろとした
迷いの闇をくまなく照らして
真実へと向かわしめる智慧の光明です。
2つ目は熱です
この熱は阿弥陀如来の慈悲を表すと
味わう事ができます。
熱が氷を解かすように、
お慈悲の「温もり」が固く閉ざした心を
解きほぐして下さいます。
また、その炎からも休むことなく
はたらきかけて下さっている阿弥陀如来の
お慈悲の心が伝わってくるでしょう。
まとめ
このように、理由を知ってみると
ろうそくの火がこれまで以上に
輝いてくるのではないでしょうか?
そして、ろうそくの色としては、
一般的に平常や悲しみの時には「白」
入仏式等の慶びの時には「赤」を用います。
(7回忌以降の法要でも赤でも大丈夫です)
なお、お仏壇の為には洋ろうそくより、
和ろうそくの方が、煤(すす)の性質上
良いとのことです。
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