世間一般的に故人の遺骨は
「49日」または「お盆」に納骨する
とよく言われますが、
確かに生前にお墓を購入して建てた方は
区切りのよい法要(49日・初盆)のタイミングで納骨される方が多いようです。
しかし、
お墓が無い場合は購入を急いだ方がいいのでしょうか?
お墓完成まで遺骨は自宅で手元に置いても法的に大丈夫?
お墓が完成するまで最低でも何か月かかる?
今回はそんな疑問にお答えしたいと思います。
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お墓の購入や納骨に「いつまで」という決まりはありません
お墓がまだ無い場合、
お葬式が終わってから早くお墓を建てて納骨しなければ
故人が安心して眠れないのでは?
成仏できないのでは?
と気にする方もいらっしゃいます。
さらに、いつまでもお墓を先延ばしにすると、
法要の度に親戚から
「お墓はいつ建てるの?」
と聞かれるのがイヤ!
と、お墓購入を焦ってしまう方もいらっしゃると思います。
しかし、
お墓はいつまでに建てて、
いつまでに納骨をしなければいけないといった決まりはありません。
慌てる必要はありません。
お墓を建てるのは一生に何度もある事ではないので、
墓地や墓石をじっくり選んで、納得のいくお墓を建てたいですからね?
ちなみに、お墓の購入時期や納骨の時期に
宗教・墓石業者・墓地管理者などが決めた期限も存在しません。
遺骨を自宅に置いておく時の注意点
遺骨は自宅に置いても法律的にも問題ありません。
しかるべき納骨場所が決まるまで
何年でも家で保管されて大丈夫です。
ただ、自宅に遺骨を保管するにおいて注意点が2つあります。
遺骨の自宅管理・注意点その①「カビ」
遺骨は湿気に弱い為、カビが生えてしまう可能性があります。
高温多湿な場所に何らかの栄養が揃ってしまえば
遺骨にカビが発生してしまうのです。
火葬後の遺骨は高温で陶器性の骨壺にいれられるので、
ほぼ無菌状態なのでカビの発生確率は低いのですが、
次の点に注意して保管してください。
・遺骨を素手で触らない(菌の付着を防ぐ)
・骨壺は桐箱に入れて保管する(湿気を防ぐ)
・直射日光を避けた風通しの良い場所で保管する
・結露の多い窓際や水回りに置かない
以上の点に気を付ければカビの繁殖の可能性は低いでしょう。
遺骨の自宅管理・注意点その②「子どものいる家庭」
単純な理由としては、子供が暴れて骨壺を落としたり、
ひっくり返さないような場所を選んで置く事が大事です。
好奇心の強い子は骨壺を触るなどして、
落とすと重くて危険ですし、遺骨をばらまく危険もあります。
そして、お子さんの中には「遺骨=死」と感じて
怖がってしまう場合もあります。
家庭の中に遺骨があることに非日常を感じてしまう
事もあり、
感受性の豊かな子(大人も)は心理的に
不安定になってしまう事もあります。
人が死ぬことは自然の摂理ですし、
仏教では「死=けがれ」ではありません。
命という尊い教育になる体験ですが、
常に家族の目に触れる場所に置かないなど、
配慮が必要な場合もあるでしょう。
お墓が完成するまで最低1~2か月かかる
すでにお墓がある場合なら、
49日法要(葬儀後およそ7週間後の法要)で納骨は可能ですが、
亡くなってから新しくお墓を建てる場合だと、
49日法要までにお墓の準備をすることはほぼ不可能です。
墓地・墓石をすぐに購入したとしても、
カロートと呼ばれる納骨棺や、
境界石設置する工事、墓碑の彫刻など、
お墓が完成するには最低でも1~2か月は必要です。
8月に行う初盆法要で考えてみても、
6月や7月にお葬式をした場合はとてもお墓は間に合いません。
亡くなった時期がお盆直前であまりに近い場合だと、
初盆法要自体を翌年に行う事も多くあります。
お墓を建てる時期は一周忌を目安にする
お墓を建てるという事は、
決めなければいけないことがたくさんあり、
何度も買うものではないので、
不慣れだったり、知識がなくて分からない事だらけです。
慌てる必要はありませんので、
一周忌法要の時に納骨する事を目安に考えて
費用などの経済状態も十分考慮して建てるようにしましょう。
すでに信頼できる石材店や墓石業者が決まっていれば
いいのですが、
購入者の知識不足や、業者側の説明不足が原因で
「思ったより費用がかかった」
「墓石の素材が悪かった」
「他の業者の方が同じ工事なのに安かった」
といった不満やトラブルが近年とても増えています。
それを防ぐ為にもまずは
複数の石材店や墓石業者から見積もりを出してもらい、
比較・検討・金額の質問を納得いくまで
打ち合わせすることをおすすめします。
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まとめ
お墓を建てる時期に、
いつまで建てないといけないという決まりはありません。
遺骨も納骨できるまでは自宅で保管されて
大丈夫です。法的にも問題ありません。
お墓が完成するまでには最低でも1~2か月
かかります。
納骨を49日法要や初盆までにしなければ
いけない決まりもありませんので、
じっくり検討されて一周忌を目安に
お墓の準備をされるといいと思います。
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