お通夜・葬儀・法事などの際に
お経を読む機会がありますが、
声に出して読む人が少ないのが現状です。
今回は、浄土真宗での
基本的な読経の手順と意味を
ご紹介します。
不思議と心が静まる気持ちになりますし、
仏法の入り口として是非お勧めです!
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読経するのは誰のため?
人が亡くなった際にご住職さんが
「お経」をあげますが、
一般的なイメージとして、
お経をあげること(おつとめ)
によって、死んだ人が成仏すると
考えられがちです。
そして、残された遺族の方も、
ご住職が読経をするのをじっと聞いて
ただその場で座っている事が
多いかと思いますが、
お経は死んだ人(ご先祖)を成仏
させるものでもなく、供養になる
ものでもありません。
では、いったい何のためのお経
なのかと言うと‥
お経とは、
今ここに生きている私達に対する
説法が記されているものです。
要するに私達の為の「お経」です。
自分には関係いと考えていた方も
多いと思いますが、
本来、お経というものは
今から約2500年前のお釈迦様が説かれた
教えを文章化したものです。
亡くなった方は、浄土真宗では
「死即往生(しそくおうじょう)」
といって、
すぐにお浄土へと還られるという
教えなので、
すでに極楽浄土へ行った亡き人に
対して、成仏させたり供養する
必要はありません。
なので、お釈迦様の説かれた教えが
なぜお経として現代まで受け継がれるのか?
と考えた時に、
その「お経」が必要なのは、
苦しいこの世を生きる「私達」の為に
あるという事なのです。
葬儀や法事の場で「お経」をお勤めする
機会があるのも、
実は亡き人が縁となって、
私達がお経(お念仏)に出会うという
仏縁を結んでくださっているという事
なのです。
読経の際には声に出してよむ!
恥ずかしいですよね?
周りが静かだと、葬儀や法事の際に
なかなか声に出して読める人は
そうそういません。
意味がわかんないし‥という方も
いらっしゃると思います。
小さい頃から身に付けないと、大人に
なってから急にしなさいと言われても
難しいと思います。
ただし、理屈ばかり考えていたのでは
始まりませんね?
当サイト管理人も、小さい頃から
おつとめの際には声に出していましたが、
やはり周りが静かな法事の席では
心の中で読経してしまうという
状態なので、まだまだ未熟です‥。
おうちに聖典がある方は、ぜひ
我流でも何でもいいので仏さまに
向かって読んでみましょう。
浄土真宗用に販売されているお経の
本にあるお経なら、何を読んでも
構いません。
本格的に読経してみたい人へ
お経には音程や、読み方に決まりがあり、
音を伸ばしたり、ゆっくり読む箇所もあります。
歌をうたうような感覚が一番近いのでは
ないでしょうか??
時にはこぶしをきかせるような箇所も
ありますので‥。
正式に学んでみたい人は、手次ぎ寺に
相談してみるのもいいですし、
浄土真宗用のお経のCDやカセットテープ
などもあります。
本やCDに関しては、お寺や別院で
販売してくれるところもありますし、
書店でも入手できます。
「お経の勉強会」を開いているお寺も
ありますので、もしお近くでしたら
お参りされるのもよいかと思います。
お経を読む時の手順や作法
1・仏さまの前にて合掌して礼拝
※合掌=手をあわせること
※礼拝(らいはい)おじぎをすること
2・聖典(お経の本)をいただいてから開く
※いただく=本を両手で目の前くらいに
持ち上げて、頭を軽くさげる
3・おりん(かね)をたたきます
※おりんはお経を読む時の楽器です。
たたく回数はお経の文字の側に○印などで
指示が書いてあります
4・お経を読みます
※最初は1人で大きな声で読んで
みましょう、
慣れれば恥ずかしくなくなってきます!
5・お経の本を閉じていただきます
6・合掌して礼拝
以上が一連の流れとなります。
おりんは、ふだんのお仏壇等のお参りで
読経しない時には、たたく必要は
ありません。
まとめ
お経とは、亡くなった方を成仏させたり
供養するためのものではなく、
今を生きる「私達」のためにある
と、お話ししました。
なので、意味やその理由を知れば、
亡き人が私達に仏縁を下さったと
理解する事ができると思います。
そうなると、読経はご住職まかせ
ではなく、一緒に読むというのが
自然な形となります。
お寺にお参りすれば、
だいたい本堂の香炉の側あたりに
赤い聖典(お経の本)が何冊か積まれています。
読経の際にお持ちでない方は、
自由に借りられて結構ですので、
心の中でもいいので読経されてみてください。
なお、
聖典は大切に扱いますので、開閉の際には
必ずいただいて、人が歩くような床や畳の
上に直接置くようなことはしませんので
ご注意ください!
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