山村美佐サスペンスの
「赤い霊柩車」
をご存知の方でしたら、見たことが
あるかもしれませんが、
ドラマ中に
故人のお皿を割ってから
霊柩車が出発するシーンが
あります、
そんな葬儀中のいろんな
風習について間違いだらけだというお話を
色々と、とりあげたいと思います。
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人は、自分の力ではどうすることも出来ない
「望まない出来事」
が起ったり、
また、その恐れがあると、とたんに神経質
になり、不安にかられて
あれやこれやと
形や行為にこだわる者のようです。
「死」
にともなう一連の葬儀は、その
不安からくる「あれあこれや」の
オンパレードです。
実にさまざまな迷信や俗信があり、
深く浸透しています。
その為に、仏教の葬儀でありながら、
み教えに逆行するような習俗が行われ、
それを「仏教」だと思い込んでいる人も
少なくありません。
仏教では「死」=「けがれ」ではない
「死は穢れ(けがれ)」という考え方から
起った習俗は、その代表と言っていいでしょう。
例えば
「忌中」
札を入口(玄関等)に貼るのは、
死のけがれを他に及ぼさないように
広く知らせる意味があります。
この「けがれ」の概念から生まれた忌中札は、
防犯上の理由で使用しなかったり、
真宗の方は「うちは使用しません」と断る
パターンも増えてきているようです。
仏教にはそもそも「けがれ」の概念が
ありませんので、同時に忌中や喪中といった
習俗も本来はありません。
その他、逆さ屏風(びょうぶ)や、
ご飯に箸を立てたりするのも、
「死」という異常さを示して、
忌(い)み遠ざけようとするものでしょう。
これも、浄土真宗ではいたしません。
お清め塩も当たり前のように、お通夜の
参列者に渡されるお返しの中に、
一緒に入っていたりします。
「死」という縁起の悪いものや、
死者の霊が付きまとわない様になど、
とにかく、何か気味の悪いものとして、
ついてこないように祓うという意味でしょう。
しかし、故人に対してあまりにも悲しい
仕打ちとは思いませんか?
その故人はもしかしたら、
大好きなおじいちゃん、おばあちゃん、
もしくは配偶者、
時には自分の子供だったりするかも
しれません。
何も清めたり祓ったりする必要も
ありませんし、
浄土真宗では、亡くなった方はすぐに
お浄土へ導かれて、仏さまとなるので、
「お清め塩」も必要ありません!!
まだまだあります‥
故人への容赦ない仕打ちシリーズ
棺(ひつぎ)を閉じる際に
石で釘を打ち付ける風習があります。
これは石の「魔力」で死者の「霊」を
封じ込め、災いを防ごうというものです。
運んだりする最中に蓋が開いて
しまわない様にとの意味もあるらしいですが、
これも本来は意味の無い風習です。
また、故人のお茶碗を割る風習は、
再び舞い戻って災いを起こさない様に
「帰って来てもあなたの分はありませんよ」
ということでしょう。
これにも意味はありませんし、
故人のお茶碗を割るのはあまりにも
ひどいように思えます。
帰ってくることなく、迷わず成仏してほしい
という言われもありますが、
先ほども言った通り、
亡くなった方は、すぐお浄土へ行き、
仏さまとなるので、そういうことをしなくてもよいのです。
棺(ひつぎ)を回してからでる風習も、
同様の趣旨です。
故人の方向感覚を迷わせて、
家に戻ってこない様にだそうです‥。
とにかく故人の霊が帰ってこれない様に
するのは、「迷わず成仏してほしい」
という願いも込められているのですが、
何ども口酸っぱく言いますが、
死後、すぐにお浄土へ行って
仏さまとなる故人へ、そのような行為は
無意味です。
そういうことを
仏教のしきたりと勘違いしてされる方も
多い為、浸透してしまっているのです。
浄土真宗の門徒であるなら
迷信や俗習に惑わされないようにしたいですね?
しかも、「帰ってこないように」といいながら
お盆になると「帰ってこい」という‥
随分と身勝手なものですね‥
故人は災いの元凶ではない
こういった数々のまちがった行為をして、
故人を不幸災難の元凶のように扱って、
なんの抵抗も無いのしょうか??
「ご冥福を祈ります」
という言葉も、浄土真宗では使いません。
疑った見方をすれば、
「迷って私たちに災難を及ぼさない様に」
との意味にもとれてきます。
仏教は、このような自己中心的な発想で
死を忌(い)み避けるのではなく、
死を厳粛に受け止めて、
人生無常をかみしめながら、
「生死いづべき道」を説く教えです。
どうぞ、迷信に惑わされず、
死を縁に自分自身の仏縁を深めて下さい。
まとめ
■仏式の葬儀にふさわしくないもの
を知ろう
ご飯に箸を立てたり、清め塩をしたり‥
■仏教は、「死はけがれ」
として避けるのではなく、
「生死いづべき道」を説く
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