ブッダ(お釈迦様)の弟子の中でも、特に優れた十人がいます。
その弟子達は「十大弟子」と呼ばれ、
今回取り上げるサーリプッタは一番弟子とされています。
頭の良いサーリプッタはブッダからの信頼が厚く、
初期の教団にはなくてはならない人物だったようです。
そんなサーリプッタにスポットライトを当ててみたいと思います!
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ブッダの右腕だったサーリプッタ
サーリプッタはブッダの十大弟子の中でも、
最も早く弟子入りしていて、
幼馴染のモッガラーナ(目連・もくれん)
と共に入団し、亡くなった時期もほぼ一緒です。
サーリプッタとモッガラーナの2人は
ブッダからとても頼りにされていて、
サーリプッタは右腕
モッガラーナは左腕
として初期の教団をまとめる役割を担っていました。
特にこの二人は「二大弟子」と呼ばれ、
弟子の中でもツートップのような立ち位置だったようです。
サーリプッタの事を日本では舎利弗(しゃりほつ)
と呼び、インド名がサーリプッタとなります。
天才的な頭脳をもつ「智慧第一」
サーリプッタは※バラモンの家の長男として生れました。
(※カースト制度の最高位)
博学な父親と美しい母親の子供として、
インテリの家庭で育ち、
サーリプッタという名前の由来は、
母親の名前が「サーリー」(鷺・さぎ)という意味で、
子を「プッタ」という事からサーリプッタと呼ばれました。
小さい頃から頭が良くて、バラモン教の聖典を
ことごとく理解し、
父親の弟子たちまでもがサーリプッタに師事するほどで、
今に伝わっているサーリプッタの仏像は、
彼の聡明で物静かな様子をよく表したものが多いそうです。
楽しいお祭りが出家のきっかけ?
ある日、仲の良かったモッガラーナと一緒に
サーリプッタは山で行われた祭りを見に出掛けます。
その祭りで、曲にあわせて大勢の人間達が
踊り狂って騒いていたのですが、
その様子を見たサーリプッタが
「今は楽しく笑い転げている人も、
100年経てば誰一人としてこの世にはいないだろう‥」
と、「無常」を口にしたのです。
そんなサーリプッタの言葉を聞いたモッガラーナも
「彼らの踊り狂うさまは、鏡に映った自分だ」
と、深くその言葉に感銘を受けたのでした。
そして、この二人は祭りの日からほどなくして
出家を約束し、親の反対を押し切って家を出ます。
最初の師匠はペテン師だった!?
サーリプッタが出家して、初めて弟子となったのは
「サンジャ」という懐疑論者でした。
モッガラーナもその時一緒に弟子となります。
そのサンジャという師は、どういう人物かというと、
弟子:「死んだ後にあの世という世界があるのですか?」
と聞かれると、
サンジャ:「お前はどう思う?」
と聞き返し、
「ある」と言うと「そのとおり!」
「ない」と言っても「そのとおり!」
と答える手法でした。
こうしてのらりくらりと、
相手にあわせた答え方をしては人を集め、
250人ほどの弟子がいたそうです。
そんな師の思想を、頭の良いサーリプッタは
7日間でマスターしてしまい、
弟子たちのリーダーとなって講義することも
あったようです。
しかし、あの祭りを見た時に感じた「無常」
の真理は、サンジャからは学べないと悩んだ末、
出家仲間のモッガラーナに「もっと優れた師を探そう!」
と、打ち明けるのでした。
とうとう見つけた最高の師匠!
新しい師を探して一人歩いていたサーリプッタは、
ある修行僧を見つけます。
気品に満ちて清楚なその人物の姿に一目で引き付けられ、
きっと偉大な人に違いない!!
と、後についていったのです。
托鉢中の修行僧に声をかけてはいけない決まりがあったので、
サーリプッタはそのタイミングを待って
托鉢を終えた僧に声をかけたのでした。
「あなたの師匠はだれですか?」
と聞いたら、その修行僧は、
「ブッダ(お釈迦さま)です。」
と教えてくれて、
どんな教えを説く人物なのかを質問したところ、
たちまちその素晴らしい教えに自分の心が晴れ、
ブッダの教えの素晴らしさに感激したのでした。
モッガラーナと共に弟子入り
ようやく師事する人物を見つけたサーリプッタは
急いでモッガラーナの元へ行って、
「とうとう師を見つけたよ!!」
と、2人で大喜びしたそうです。
そして、今現在弟子になっているサンジャに
ここを退団してブッダの弟子になることを
告げたのでした。
すると‥
他の弟子たちも全員一緒にブッダの弟子になりたいと
言い出したのです!
当のサンジャはめちゃくちゃ怒りましたが、
全ての弟子を取られてしまうという結果となりました。
ブッダの教団でスピード出世!
こうして晴れてブッダの弟子となったサーリプッタは、
修行に励み、
たった15日間で阿羅漢(修行者の最高位)になりました。
そして、教団の中心的存在としてモッガラーナと共に
ブッダからも信頼され、説法を行うこともあったそうです。
(モッガラーナは阿羅漢になるまで1ヶ月かかりました)
サーリプッタは弟子達のいざこざを納める役割
をしたりと、まさに万能な働きを見せ、
「智慧第一」の人物として、その特徴を
ブッダ率いる教団内で発揮したのでした。
サーリプッタは病死だった
ブッダの教団の初期を支えたサーリプッタと
モッガラーナでしたが、
ブッダが特に頼りにしていたこの二人は
ほぼ同時期に亡くなってしまいます。
ブッダのボディーガード的な役目をしていた
モッガラーナが、異教徒から襲撃されてしまい、
瀕死の状態の中、幼馴染のサーリプッタが駆けつけます。
モッガラーナは、ブッダへ最期の言葉を伝えてほしいと、
サーリプッタに頼んで死んでしまいます。
共に育ち、共に出家し、共に修行した
大切な友を亡くしてしまい、
そんなサーリプッタも、ほどなくして
病を経て亡くなってしまいます。
ブッダは頼りにしていた大切な弟子を一度に二人失ってしまい、
その悲しみは悟りを開いたブッダでさえも
辛く胸が痛い出来事でした。
まとめ
サーリプッタは十大弟子の中でも「優等生」です。
他の弟子はダメダメな部分があったり、
個性が強くて面白いのですが、
サーリプッタに至っては、頭が良すぎてさっさと
阿羅漢にまで昇りつめてしまうところがトントン拍子過ぎて
話としては盛り上がりに欠ける気がしますが‥。
「聖☆おにいさん」(セイントおにいさん)
のマンガ中では、
ど真面目にとんでもないことをするキャラで描かれていて、
サーリプッタが全力でブッダをサポートする姿が笑えます!
イエスの弟子に負けない個性豊かな弟子たちがブッダには沢山いますので
今後もご紹介していきたいと思います。
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