葬儀

生活保護の葬儀を親族が行う方法・葬祭扶助の金額や利用できる条件

  • お金が無くて葬儀費用を出す余裕が無い…
  • 生活保護受給者の葬儀は役所でお金がもらえる?
  • 「葬祭扶助金」があると聞いたけど、どんな制度?
  • 葬祭扶助金はだれでも利用できる?

今回の記事では、以上のような疑問にお答えします。

親や独身の兄弟、生活に困窮している親族などが亡くなった場合、

葬儀をどうすればいいか?というのは急を要する問題です。

生活保護の葬儀を親族が行う場合の給付金額や利用条件

ということで、

生活保護制度の基本的な知識や、制度を利用するにはどうすればいいのか?

これを読んでいただいて、困った状況から一歩でも前に進んでいただければと思います。

生活保護には葬儀費用が給付される制度がある

法律のイメージ画像

生活保護には8つの種類があり、その中に葬祭を行う場合に支給される

葬祭扶助そうさいふじょ」というものがあります。

遺族などが困窮のため、葬祭を行うことができない場合、国がその金額を負担してくれる制度です。

生活保護の種類内容
生活扶助生活保護の基本となる衣食・光熱費・生活費
住宅扶助賃貸物件に住んでいる家賃
教育扶助義務教育を受けるために必要な費用
生業扶助就労支度金や事業のための器具資材・技能習得の費用
医療扶助国民健康保険と同等の治療を受ける為の現物支給
介護扶助要介護・要支援の認定をされた場合
出産扶助被保護者が出産する場合
これです⇨葬祭扶助葬儀を行う場合に支給される

葬祭扶助そうさいふじょは金銭給付という形で行われ、自治体から支給されます。

葬祭扶助そうさいふじょは葬儀に必要な最低限の金額だけ

葬祭扶助そうさいふじょの給付金額には、以下の基準があります。

亡くなった方の年齢葬祭扶助給付基準額
12歳以上206,000円以内
12歳未満164,800円以内
※上記は2020年の基準額となっています

都市や地方といった違いや、地区町村によって給付金額が前後し、

自治体ごとに上限金額が定められているので、上記の金額とは異なる場合があります。

葬祭扶助そうさいふじょは、自治体が定めた上限金額の範囲内で葬儀費用として支給され、

あくまでも「最低限の葬儀を行うだけの費用」という額になります。

葬祭扶助そうさいふじょを申請する条件や基準

故人の葬儀を「葬祭扶助そうさいふじょを利用して行いたい」と考えた場合、まずは以下の点をご確認下さい。

葬祭扶助そうさいふじょ申請は必ず葬儀(火葬)の前に行って下さい、葬儀後の申請は受付されません。

故人が生活保護を受けていたなど、あきらかに生活に困窮しており、葬儀代を残していないのが前提です。

葬祭扶助そうさいふじょは親族や第三者が対象

生活保護の葬祭扶助そうさいふじょは亡くなったご本人ではなく、葬儀を執り行う親族(喪主)に対して支給されます。

故人の遺族が対象なので、親戚やいとこも対象に含まれます。

ちなみにですが、申請できる人の具体的な条件は以下の2通りです。

葬祭扶助そうさいふじょを申請できる人の条件

  1. 親族の葬祭を行うにあたり困窮のため最低限度の生活を維持できない方
  2. 民生委員や入所施設の長といった第三者
    ※死者の葬祭を行う扶養義務者(身寄り)がないときに限ります

上記の①を見ると、

親族の葬祭を行うにあたり困窮のため最低限度の生活を維持できない方

となっています。

親族(喪主)が生活に困窮していて、葬儀を行うのが難しいと見なされた場合に支給対象になるというわけです。

葬儀を行う遺族または親族の収入状況や生活背景によって、受給できる金額が決められます。

親族(喪主)も生活保護であるかは関係ない

親族(喪主)の方がすでに生活保護を受給している方は、葬祭扶助そうさいふじょも支給が認められる可能性が高いですが、

この記事の最初でご紹介した8種類の生活保護のどれを受給しているかによって基準が多少異なります。

なお、他の生活保護を受給していなくても、葬祭扶助だけを受給することもできます(これを「単給」といいます)。

まずは役所・福祉事務所に相談してみる

メモをする男性の画像

故人の葬儀を行うとなった場合、それによって親族の方が最低限の生活を維持できないほど困窮するなら、

遠慮なく相談されることをおすすめします。

また、資産がある場合でも支払いが苦しい方は葬儀を行う前に相談して下さい。

相談先は、申請する遺族や親族の住所地にある役所や福祉事務所です。

※喪主の委任状や印鑑などがあれば、葬祭扶助そうさいふじょの申請を葬儀会社が代行することも可能です。

生活保護(葬祭扶助そうさいふじょ)を利用した葬儀の内容

葬祭扶助そうさいふじょを利用した場合、どんな葬儀内容になるのかというと、

火葬のみ」です。

  • 読経
  • お寺さんへの御布施
  • 祭壇に飾るお花

といった項目には適応されないため、

祭壇を準備して通夜・葬儀といった一般的な葬儀は認められていません。

戒名に必要なお金は制度の対象外

葬祭扶助そうさいふじょでは、基本的に戒名料をまかなうことはできません。

故人を見送る際に戒名は関係ないと考える方も多いためです。

宗教を重んじる理由から、戒名をいただきたいのであれば、対応してもらえるかどうか役所や福祉事務所に相談してみて下さい。

支給される金額が定められているので、基本として「火葬のみ」の最小限の葬儀になることについては理解が必要です。

葬祭扶助そうさいふじょの葬儀の流れ

  1. 故人がなくなった場所から安置場所まで寝台車で搬送する
  2. 火葬の日まで故人を安置する
  3. 故人を棺に納棺し、火葬場まで霊柩車で搬送する
  4. 火葬後、骨壺に遺骨を納める

葬祭扶助そうさいふじょで行われる葬儀は以上が一般的です。

このような火葬のみを行う葬儀を「直送ちょくそう」と言いますが、

もう少し一般的な葬儀に近づけて送ってあげたいという方は、

葬儀会社に葬祭扶助そうさいふじょの範囲内で工夫できないかどうか相談してみるといいでしょう。

葬儀会社は葬祭扶助そうさいふじょ対応の所に依頼する

葬祭扶助そうさいふじょによる葬儀を行う場合には、対応している葬儀社に依頼します。

葬祭費用の支払い方法は、依頼者を通さず、

福祉事務所から葬儀社に直接支給という支払う方法となります。

葬儀費用の請求書が地方自治体へ提出され、それが認可された後に葬儀社に対して費用が支払われるシステムになっているので、

依頼者が費用の支払いに直接かかわる事は基本的にありません。

香典は受け取っても問題ありません

香典袋の画像

香典の受け取りに関しては、葬祭扶助そうさいふじょの制度に関係ない部分なので、

葬儀の際に受け取った香典は金額を報告する必要もありません。

参列していただいた方からのお気持ちとしてありがたく受け取られて大丈夫ですが、香典返しも制度の対象外です。

香典返しが用意できない状況であれば、葬儀の際に香典辞退することも考えておきましょう。

まとめ

・生活保護には葬儀費用が給付される制度がある

・困窮のため最低限度の生活を維持できない方が対象

葬祭扶助そうさいふじょは葬儀に必要な最低限の金額だけ

・生活保護(葬祭扶助そうさいふじょ)を利用した葬儀は火葬のみ

・葬儀会社は葬祭扶助そうさいふじょ対応の所に依頼

葬祭扶助そうさいふじょで補える範囲は、遺骨を骨壺の納めるまでとなっています。

なので、それ以降のお墓や納骨に関しては範囲外なので、遺骨をどうするか考えなくてはいけません。

火葬後の遺骨に関しては、役所の福祉課や葬儀社に相談することをおすすめします。

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