聖☆おにいさん11巻の元ネタ解説・宗教用語!前編その73~その76

聖☆おにいさん11巻の元ネタ解説・宗教用語!前編その73~その76

聖☆おにいさん(セイントおにいさん)
のマンガに出てくるブッダやイエスの
宗教ギャグの元ネタを解説します!

まだ知らない方が読まれた場合、
ネタバレになってしまうので、
11巻の内容をまだ知らない方は
ご注意下さい。
※過去記事で解説した用語は省略させて
いただくことがありますのでご了承ください。
なお、この記事は非公式です。

この記事の1つ前の元ネタはこちら(10巻後編)
      
聖☆おにいさん10巻の元ネタ解説・宗教用語!後編その69~その72

 

 

11巻その73☆柄じゃないキャラじゃない

 

アンデレが前髪で目を隠す理由を指摘するユダ…

ユダ
聖アンデレ十字と呼ばれるX十字は…昇天時のポーズが元気はつらつで さぞ恥ずかしかったでしょうが…」

 


 

アンデレがX十字に架けられる経緯を
お話すると、

アンデレはギリシャの町で
危篤だった総監の妻を奇跡で助けましたが、

感激した妻がキリスト教に入信した
事で総監を激怒させてしまいます。

アンデレは捕らえられ、20人がかりで
痛めつけられ、十字架に架けられてしまいます。

苦痛を長引かせるために
釘を打たずに手足を縛るやり方でした。

十字架上で2日間苦しみながらも
見物人に説教をしていたといわれます。

最後は

「師(イエス)と同じではおそれ多い」

という理由でX型の十字架で殉教したそうです。

「聖アンデレの殉教」バルトロメー・ムリーリョ作

 

ユダが生前下界に買った土地があるというので、ペトロが値段を聞くと…

ユダ
銀貨30枚でした」~「ちょっとわけ有りの土地なので 今まで外国人のための墓地になってたんですが…」
ペトロ
「ま…待って…その畑さ…」「血の畑」…って呼ばれてない…?」

 


 

銀貨30枚というのは
ユダがイエスを裏切って得たお金です。


イエスの時代に使われていたユダヤのコイン

マタイによる福音書27章3節~8節によると、

イエスに有罪が下ったのを知って
ユダは裏切ったことを後悔し、
銀貨30枚を祭司長や長老達に返そうとしますが断られます。

そこでユダは銀貨を神殿に投げ込んで
立ち去り、首をつって死んだとされています。
(体が腫れて2つに裂け、腹わたがとびだした
という説などもあるようです)

「首を吊ったユダ」ピエトロ・ロレンツェッティ作

祭司長たちは銀貨を拾いあげて

「これは血の代金だから、神殿の収入に
するわけにはいかない」

と言い、そのお金で陶器職人の畑を買い
外国人の墓地にすることにしました。

そういった経緯から
この畑は「血の畑」と呼ばれています。

 

ユダが明るくなって喜ぶイエス…

イエス
13という数字を避けたり…黄色いものを隠したり…裏切り者のでる映画の話を避けたり…地雷原を歩くように接しなくていいんだ…!」

 


 

13を避ける理由
   ⇩
ユダは最後の晩餐で13番目の席
イエスの処刑が13日の金曜日
など…
(キリスト教では忌み数として嫌われている数字です)

黄色は、ユダをイエスを裏切る時に
着ていた服の色です。

裏切者=ユダがイエスを銀貨30枚と引き換えに
売り渡したところからユダの代名詞として使われることがあります。

 

ユダが過去をポジティブに変えていこうとして…

ユダ
あれを「広い意味で殉教」ととらえ…自分でユダ十字も作ってみました!」

 


 

「あれ」というのは首を吊った
事をさしていますが、

自殺ではなく殉教とポジティブにとらえています…

ペトロとアンデレが殉教した時に
架けられていた十字架はその後

聖ペトロ十字、聖アンデレ十字

という名前がついていますが、
ユダ十字というのはありません。

なので、マンガのユダは、
「あのロープ」の形をした十字を
自作していましたが…
   ⇩

横で見ていたブッダはもちろんドン引きです

 

 

11巻その74☆悪魔を憐れむ初夏

 

お味噌汁がいたんでしまった時のイエスの言葉…

イエス
「…3日だけ信じて待てば…腐りきる前に自らフタを上げ出て行くかもしれぬ…」

 


 

イエスが死後3日後に復活した
ことから、

いたんだお味噌汁ももしかしたら
復活するかも…

と考えるイエスでしたが、ブッダに否定されています。

「墓から起きあがるキリスト」ピエトロ・ベルジーノ作

 

イエスが鍋を開けたら小バエが飛んでいて…

イエス
「あっ ごめん寝てて!私達にとってハエって悪魔の象徴で…」

 


 

ハエが悪魔の象徴と言ってますが、
ルシファーの次に実力があると
言われるサタンの称号を持つ悪魔で
「蠅の王」
「糞山の王」
とも呼ばれる「ベルゼブブ」という悪魔です。

 

ベルゼブブが仲間の蠅に三角コーナーの生ごみを食べさせようとするが…

ベルゼブブ
「これはー…聖なる紋章 プロビデンスの目ーー…!?」

 


 

マンガでは、流し台の三角コーナーの中に
半分に切られたゆで卵が捨ててありますが、

悪魔のベルゼブブはこれを

「プロビデンスの目」

と叫んで警戒してしていました。

秘密結社「フリーメイソン」の
シンボルとしても有名ですね。

プロビデンスの目は三角形と栄光の光に
囲まれて神の全知全能の目を描いたシンボルです。

三角形はキリスト教の三位一体を表しており、
古くから教会のレリーフや絵画にも多く見られます。

 

 

仲間の蠅を心配するベルゼブブを励ますルシファー…

ルシファー
「いいからもっと頼れよ 天界大戦争ではさんざん俺が助けられたんだからな」

 


 

ルシファーがベルゼブブに対して、
天界大戦争の時に助けてもらったと
話していますが、

元々ベルゼブブは天界の最高位の天使でした。

天界大戦争の時にはルシファー(元々天使長)の
側近として戦ったもののミカエルに負けて
堕天してしまい、ルシファーと共に地獄に落ちて悪魔になった経歴があります。

 

10巻その75☆お彼岸MIDNIGHT

 

サーリプッタが免許を取得するのに教官に従えなくて1年かかった理由…

サーリプッタ
「「左に寄れ」と高圧的に言われると 絶対に中道を走りたくなってしまって…」

 


 

マンガではサーリプッタが
「中道(ちゅうどう)」
という言葉を道の真ん中だと言ってましたが、

本来のブッダの教えの「中道」というのは、

「偏らない・極端ではない」

という意味があります。

快楽⇔苦行の間にある中道こそ
心の平穏につながるという教えで、

感情の起伏が極端ではない、
心を整えて常に平常心=真ん中
の状態に持続させることで

安らかな心を手に入れるという意味があります。

 

「中道」の教えを破って左車線で運転する自分がゆるせないサーリプッタ…

サーリプッタ
「昔から…書の知識で頭をいっぱいにしてしまう悪いくせ… しかし ブッダ様のお言葉を思い出して突破できました」「まず 書を読むのをやめ…」
ブッダ
一度頭を空にしてこいと言った時のこと…? 初めて会った日の事……そんな昔のことも覚えててくれたんだ……」

 


 

サーリプッタとブッダが初めて会った日
の会話らしいのですが、

色々調べてみましたが、
初対面の会話の記述がみつかりませんでしたので
分かり次第追記させてもらいます!

 

ある重い苦行をパスした事があると話すサーリプッタ…

サーリプッタ
「「ブッダ様の死に目にあう」というきつい苦行を一度パスしていますから……」

 


 

サーリプッタはブッダの弟子の中でも
特に優れたリーダー的存在で、
ブッダより少し年上だったと言われています。

そんなサーリプッタは、
80歳近い年齢の時に、ブッダに
故郷へ帰らせてほしいとお願いします。

自らの死期を悟っての行動で、
ブッダはここで病を養うようにと
再三勧めましたが、

できればまだ存命の母の元で
死にたいと師の意に背きます。

故郷の村で最後まで法を説き、
サーリプッタは生まれ育った場所で
息をひきとりました。

ブッダがとても頼りにしていた
弟子だったので、たいそう悲しんだそうです。

だからサーリプッタはブッダよりも
先に死んでいるので、
ブッダの死に目にあうきつい
苦行をパスしている事になります。

 

 

11巻その76☆Fish&Tips

 

冒頭文より…

タイの寺院には徳を積むために 「逃がすため」の魚や鳥を売る露店が存在している

 


 

タイの文化には「タンブン」と呼ばれる
「功徳を積む」という意味の行いがあります。

これは、タイの寺院で売られている
生き物を逃がして徳をつむことで
自分にも良い事がおきるという行為です。

川沿いにある寺院などでは、
魚などを購入して川に放流することができ、
逃がす生き物によって得られる意味が違うそうです。

ティラピアという淡水魚を購入して逃がすと、
威厳や力を持つ存在になり、日々の安定を
得ることができると言われ、

小鳥を購入して逃がしてやると、
良い未来に進めるという意味があるそうです。

 

ブッダとイエスが金魚すくいをしている時の会話…

ブッダ
「えっ…ちょ イエス聞いた!?これ逃がす用じゃないって!」
イエス
「もちろん知ってるよ こういうの父さんの神殿でもあったから」

 


 

マンガのブッダは金魚すくいのお店を
タンブンだと勘違いしていますが、

イエスも
「父さんの神殿でもあった」と
何かと勘違いしていますね。

イエスの時代では
エルサレムで行われる
「過越祭」にイスラエル全土から
巡礼者が集まった時、

本来なら自分たちで捧げる犠牲を
持ってくるべきですが、

遠い道のりを動物達を引き連れて
旅をするわけにもいかないので、

神殿で動物犠牲を巡礼者に代わって
準備して、それを売る人々がいたそうです。

しかし、
イエスはその商人達が神殿の司祭達と
組んで不当な利益を得ていたことを知り、

イエスは激怒して神殿から追い出した
という話があります。
(ヨハネによる福音書2章13~25節)


「神殿から商人を追い払うキリスト」エル・グレコ作

 

電話でペトロ(元漁師)に金魚の雄雌の選別方法を聞いたけど…

電話のペトロ
「これは布教時代……神殿への税金の集金人が来た時…神の子が神殿に税金払うとか腑におちなくてー…」
布教時代のイエス
「でも もめるのアレだし…ペトロ 魚釣ってきて 口の中に銀貨入ってるから」
布教時代のペトロ
「え マジすか…」

 


 

イエスの時代にも税金というものが
ありました。

イエスと弟子達がカファルナウムという所に
来た時、「神殿税」を集める人が来て

「あなたたちの先生(イエス)は神殿税を納めないのか?」

と言います。

 

すると対応したペトロは思わず

「納めます」

と答えたのですが、
家に入ったところイエスがこう言いだしました。

「シモン(ペトロ)、あなたはどう思うか?
地上の王は税や貢物を誰から取り立てるのか。

自分の子供たちからか。
それともほかの人々からか。」

 

神殿は神の家なので、
神の子のイエスは神殿税を納める必要が
ないのでペトロはこう答えました。

「他の人々からです。」

するとイエスはこう言いました。

 

「では、
子供たちは納めなくてよいわけだ。
しかし、彼らをつまずかせないようにしよう。

湖に行って釣りをしなさい。

最初に釣れた魚の取って口を開けると
銀貨が1枚見つかるはずだ。

それを取って、私とあなたの分として納めなさい。」
(マタイによる福音書17章24~27節参考)

 

当時は銀貨1枚で2人分の神殿税だったそうです。

イエスはこの話の中で、
地上の王は領民から税をとるが、
自分の子供からは税を取ることはしない。

それなら天なる父(神)は
子である私(イエス)からは神殿税を
取るはずがない と言ってるのですが、

彼らをつまずかせないようにという
考えから税を納めようと決めています。

この経験からマンガのペトロは、
自分が腑に落ちない支払いをする時、
とりあえず魚の口を探してみて

お金が入っていたら
支払いにあててOKという自己基準を勝手に作っています…。

人間のオスメスしか分からないと電話口で困るペトロに
弟のアンデレがアドバイス…

アンデレ
「あ でも兄さんの名前ついた魚あるだろ あれだけなら詳しいんじゃ…」
ペトロ
「あー!アレな!アレは…… …フライにするのが一番うまいすね…」

 


 

個人的にペトロの名前がついた魚
があるというのが気になって調べてみました。

その魚は「マトウダイ」と呼ばれ、
秋から冬が旬で、肝も卵も美味しいそうです。

別名は「聖ペトロ(ペテロ)の魚」と呼ばれ、
ペトロがイエスに言われるがまま
釣りをしたところ、
その魚の口を開けると銀貨が入っていた
という話に出てくる魚がマトウダイと言われています。

 

進化という言葉に反応するイエス…

イエス
ダーウィンさんの「進化」っていうのは 世代を経て変化していくものだから それは……「突然変異」にあたるんじゃない?」
ブッダ
「あ…… うん…… え そうなの…?」
イエス
「…あっごめん 君「ルイセンコの進化論」支持だった!? いや いいよね あっちも変形ロボットみたいで 」

 


 

マンガでは、水槽代や維持費
気にした金魚が気を聞かせて
突然、肺呼吸を始めたのでブッダが、

「本当に気をつかうなら…
イエスの前で進化とかしないでよ…
気まずいでしょ!?」

と言ってましたが、

 

キリスト教において進化論は
聖書の内容と食い違う点が指摘される
のでデリケートな問題のようです。

 

聖書には天地創造の記述があるので、
「人間も動物も神様がお創りになった」

という意見と、

ダーウィンが発表した
「長い年月をかけて人間は猿から進化した」

という考え方が宗教と科学の対立として
しばしば問題になっています。

 

しかし、1996年10月23日
ローマ教皇ヨハネ・パウロⅡ世は

「新たな知識により、進化論を
単なる仮説以上のものとして
認識するにいたった」

と公式に述べていますが、
進化論を否定していないものの、
この言葉にも色んな解釈がされて
結局、1つの答えは出ていません。

マンガのイエスは、
ルイセンコの進化論は
変形ロボットみたいでかっこいいよね」

と言ってましたが、これは
植物品種改良家のトロフィム・ルイセンコ
という人物が1934年に

「環境条件の変化で生物の遺伝的性質を
方向づけ変化させ得る」

と説き、スターリン政権下で支持された話です。

しかし、後にDNAの構造や機能が解明
されるにつれ、ルイセンコ説の支持者は
いなくなってしまいます。

 

まとめ

 

宗教用語に関しては、当サイト管理人は
専門家ではありませんので、
あくまでも簡単な知識程度の
感覚でご理解いただきたいと思います。

宗教への理解や解釈の違い等があると
思いますが、「聖☆おにいさん」を
より楽しく読む目的で記事を書いたことを
ご理解いただけたら幸いです。

この記事の続きの元ネタはこちら(11巻後編)
     
聖☆おにいさん11巻の元ネタ解説・宗教用語!後編その77~その80

 

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