聖☆おにいさん(セイントおにいさん)
のマンガに出てくるブッダやイエスの
宗教ギャグの元ネタを解説します!
まだ知らない方が読まれた場合、
ネタバレになってしまうので、
2巻の内容をまだ知らない方は
ご注意下さい。
※過去記事で解説した用語は省略させて
いただくことがありますのでご了承ください。
なお、この記事は非公式です。
この記事の1つ前の元ネタはこちら(1巻後編)
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聖☆おにいさん1巻の宗教用語・元ネタ解説!後編その5~その8
2巻その9☆HOLY BIRTHDAY
クリスマスに浮かれるイエス‥
「シュワッキマッセリ~
シュワッキマッセリ~~」
クリスマスに歌われる讃美歌で
「もろびとこぞりて」という歌。
イエスが歌っている部分は
「主は来ませり」
意味としては、
「神(イエス)はおいでになりました」
なります。
フライドチキンを食べたがるイエスが
ブッダに‥
「あっ でもブッダはベジタリアンだし
やっぱり‥」
仏教においては
釈迦の時代にまでさかのぼると
肉食は禁じられてはいませんでした。
初期仏教では托鉢(たくはつ)
で食事をもらっていたので、
肉をもらえば僧侶も食べていたそうです。
しかし、大乗仏教では不殺生の観点から
一律に肉食を戒められたとありますが
多数の宗派がある中、その戒律は様々です。
肉を使わない精進料理は一般にも
良く知られているところから
マンガでのブッダはベジタリアンの
設定なのでしょう。
大豆は精進料理において
不足しがちなたんぱく質と栄養価の高い
欠かせない材料です。
サンタが来てほしいとはしゃぐイエスに
ブッダが慌てて‥
「やだなぁ イエス サンタは子供達に
ゆずろうよ(君が呼んだら元ネタの方が
来ちゃうから!!※聖ニコラウス)」
サンタクロ―スのモデルは
聖ニコラウス
というトルコの聖人です。
西暦271年~342年頃まで生きたとされ、
近所の貧しい娘を救うために
夜に煙突から金貨を投げ入れ、
その金貨がちょうど暖炉のそばに
干してあった靴下に入り、
そのお金で
娘は救われ、結婚することができた
というお話しがあります。
ブッダがケーキ店で‥
「あの ヨシュア君で
バースデーケーキください!」
イエス・キリストはギリシャ語表記ですが、
当時のユダヤ社会でのアラム語・ヘブライ語では
「ヨシュア」
というのが本来の名前です。
2巻その10☆自分詣で
除夜の鐘を撞きに来た夜
ブッダがイエスに‥
「その煩悩 除夜の鐘で吹き飛ばす
しかないようだね」
除夜の鐘についてはこちら
⇩
大晦日の除夜の鐘は何回つく?煩悩の意味や数とお寺の除夜会とは?
に詳しく書いてあります。
2人がお寺に初詣をしに行く中で、
「絵馬」「除夜の鐘」
「体にかける線香の煙」「おみくじ」
これらが出てきますが、
お寺でこの4つをすべて満たす場所を
考えると、浅草の浅草寺ではないかと
推測できます。
1巻でふたりが「浅草」を観光する
回があり、その事を考えると
浅草寺が思い当たります。
なお、浄土真宗のお寺には祈願や占い
といったものはありません。
浅草寺の宗派は「聖観音宗」で元々は
天台宗だった歴史があります。
今や一大テーマパークのような人気の
観光名所です。
マンガの中でイエスが目を良くしようと
線香の煙をあびる大きな香炉は
「常香炉(じょうこうろ)」
という名前です。
ボードゲームをしようとしてイエスが‥
「だったらすぐ二人くらい大天使
呼ぶから待ってて」
(ミカエルかウリエルあたりなら‥)
ミカエルは
教派によっての違いがありますが、
三大天使、四大天使、七大天使
などの1人として偉大な天使として
扱われています。
美術作品では左手に盾を持ち、竜の姿の
サタンを槍で突こうとする図が多い。
ウリエルも大天使の中の1人で、
「神の光」「神の炎」を意味します。
美術作品では裁きと予言の解説者や、
手の中に炎を灯した姿で描かれます。
2巻その11☆ホスピタル フィーバー
風邪をひいたブッダがイエスに‥
「てゆうか
仏の私が風邪ひいといてなんだけど
君ってこういうの治せなかったっけ?」
イエスが宣教を開始した当初から、
教えを説くとともに、
病気を治す奇跡を行いました。
福音書にはイエスが病気を治す
場面が次から次へと出てきます。
「あなたの信仰があなたを救った」
という言葉は病気を治すたびに
イエスからよく出てくる言葉です。
ブッダがタクシーを止めたつもりで‥
「色的に個人タクシーかな?」
ブッダが5人の修行者に初めての
説法を行った際に、森に棲む鹿達も
一緒に説法を聴いたとされます。
奈良で鹿が大切にされるのもそのような
背景からきていると推測されます。
ブッダと縁の深い動物の1つです。
ブッダが鳥まみれで一言‥
「何も言わずに羽毛布団を置いて
いってくれたみたい‥」
ブッダが鳩と一緒によくマンガに描かれて
いるのは、あるお話しが
元になっていると考えられます。
飢えたワシが鳩を食べようと
しますが、鳩はブッダの懐で震えています。
するとブッダがワシに
「この鳩の肉でなければ、そなたの
飢えはしのげないのか?」
とききます。
するとワシは、
「同じほどの肉であれば私は死なずにすみます」
というと、ブッダは自ら自分の
腿の肉をそいで鳩の肉と同じ量を
ワシに優しく与えたというお話し
があり、
マンガ中のブッダは何かと動物が
寄ってくる設定になっています。
ブッダの風邪が治るまで一週間かかると
聞いたイエスが‥
「父さんだったら
世界創っちゃえるじゃない!」
イエスは神の子なので、父さん=神。
そして、
神は6日間で創造を行い、
7日目に休まれました。
この休んだ日の事は「安息日」の由来とされます。
料理中の鍋にスッポンや鳥たちが身を
捧げようとするのを見てイエスが‥
「うわぁ 窓の外にニルヴァーナ待ちの
鳥達が!!」
ニルヴァーナはサンスクリット語です。
日本語でいうところの
「涅槃(ねはん)」にあたります。
涅槃は釈迦の死を意味し、
煩悩を吹き消した状態を表したり、
悟りと同じような意味で使われることも
あります。
イエスが台所で‥
「箱船に乗ったつもりで待っててよ!」
箱船は、
神がノアという人物に造らせた
船の様に大きくて
長い箱の様な形をした船です。
三階建てで、中には部屋を作り、
ノアと家族の部屋・動物たちの部屋
人間と動物の食料を入れる部屋でした。
神は大洪水をおこして
全世界を滅ぼすつもりでした。
箱船の中にいない者はみな死ぬと言い、
箱船に乗ったノアとその家族と
動物や鳥以外の生き物は洪水で
みんな死んでしまうという
聖書のお話しです。
2巻その12☆むくむく王子!?
太ったブッダをなぐさめようとイエスが‥
「第一君の鼻の穴は
子供がひとり通れる程大きくないし‥」
奈良県奈良市の
東大寺には、大きな大仏様があり、
その大仏殿に立っている柱に
穴のあいた柱があります。
参拝客がその穴をくぐる事で有名です。
この穴は
大仏の鼻の穴と同じ大きさで、
大仏の大きさを実感するとともに
観光客の定番スポットとなっています。
ジョギング中にイエスが‥
「四国まるまる
徒歩圏内って思ってることあるから‥」
ブッダが返しで
「何 それ お遍路さんのこと!?
とんだ偏見だよ!!」
お遍路(へんろ)とは
弘法大師(空海)の足跡をたどり、
四国の八十八か所の霊場を参拝することです。
お遍路の目的は様々で、健康祈願、
自分探しや開運、縁結びなどで、
札所という場所があり、
一番から八十八番まで順番にめぐったり、
逆に八十八番からスタートしたりと、
全部歩けば1200キロの道のり。
交通機関を使うツアーも好評のようです。
イエスがやる気になって走り出し、
「よ~し みてブッダ
ベツレヘムの流れ星の異名をとった
この走りを!!」
ベツレヘムの星またはクリスマスの星
は、東方の三博士にイエスの誕生を知らせ
ベツレヘムに導いた、
キリスト教徒にとって宗教的な星。
クリスマス用のオーナメントとしても
とても人気が高い星です。
坂を指差してイエスが‥
「この坂ちょっと
ゴルゴタの丘への坂に
にてるな~と思ったらチクっと‥」
イエスが自身の処刑場となる
ゴルゴタの丘をのぼる際に、
ローマ軍兵士にいばらの冠をかぶせられ、
鞭で打たれ十字架を背負わされた状態で
進むのですが、
イエスの体はすでにボロボロで、
処刑場に着くまでに3度倒れたと
言われています。
自分が生まれた時の事を話すブッダ‥
「私 右脇から生まれたから
わかんないなぁ‥」
ブッダは母・マーヤ王妃と
父・シュッドーダナ王の子供で、
シャカ族の王子として生れました。
マーヤ王妃が出産の為、
実家に帰ろうとして途中のルンビーニで
シャーラ樹(沙羅樹)の枝に手を
掛けた瞬間、
ブッダが右脇から生れたという
話です。
イエスが汗をTシャツで拭くと‥
「HP一ケタの時に布で顔ふくと
全部 この柄が出ちゃうんだ‥」
イエスが処刑される
ゴルゴタの丘までの坂を上る途中、
ベロニカという女性が
ハンカチでイエスの顔を拭ったとされています。
汗を流して今にも倒れそうなイエスを
見て、せめてもと思ったのでしょう。
このベロニカという女性は近くに住む女性で、
この時に用いた布には
イエスの顔が浮かび上がり、
「ベロニカのベール」
としてイタリアのサン・ピエトロ寺院に
保存されているそうです。
まとめ
宗教用語に関しては、当サイト管理人は
専門家ではありませんので、
あくまでも簡単な知識程度の
感覚でご理解いただきたいと思います。
宗教への理解や解釈の違い等があると
思いますが、「聖☆おにいさん」を
より楽しく読む目的で記事を書いたことを
ご理解いただけたら幸いです。
この記事の次の元ネタ(2巻後編)へ続く
⇩
聖☆おにいさん2巻の宗教用語・元ネタ解説!後編その13~その15