聖☆おにいさん

聖☆おにいさん3巻の元ネタ解説・宗教用語!前編その16~その19

聖☆おにいさん(セイントおにいさん)
のマンガに出てくるブッダやイエスの
宗教ギャグの元ネタを解説します!

まだ知らない方が読まれた場合、
ネタバレになってしまうので、
3巻の内容をまだ知らない方は
ご注意下さい。
※過去記事で解説した用語は省略させて
いただくことがありますのでご了承ください。
なお、この記事は非公式です。

この記事の1つ前の元ネタはこちら(2巻後編)
    
聖☆おにいさん2巻の宗教用語・元ネタ解説!後編その13~その15

3巻その16☆納涼ハンタ―

暑がるイエスにブッダが‥

「この涼しい顔 無我へのヒントが
隠されてると思わないかい?」

 

無我(むが)とは、
仏教思想として「無常」に続いて
よく使われる言葉です。

ここでは「我」というのは
自分という意味では無く、

自分自身の中にある
「永久に変わらない本質」の事を指します。

この「我」を仏教では否定していて、
その考え方が「無我」なのです。

「諸行無常」という考え方からも
分かるように、

「存在する全てのものが
変化し、いずれは滅ぶ運命なので、

自分の中の本質もそれに従い
変わっていく

という教えが「無我」なのですね。

 


 

イエスが隣の家に話し合いをしに来て‥

隣人よ‥私の声が聞こえますか!?」

 

イエスの有名な言葉に

「汝の隣人を愛せよ」

という言葉があります。

イエスは限りない隣人愛を説いていますが、
世界全人類を愛するではなく、
なぜ隣人と説いたのか‥

それは、

きわめて日常的な隣人や家族を愛する事
をしていけば、

その小さな愛は全世界へ広まるという事であり、

逆に、
身近な人を愛せない人が、世界平和を
実現することはできないという教えです。

 


 

ペトロの軽いノリにブッダが‥

「じゃあ 袈裟のサイズ教えといて
くださいよ~」みたいな返しを
するべきだったのだろうか‥

 

袈裟(けさ)とは、
仏教の僧侶が身に着ける衣装の事で、
古代インドの出家僧が
使用していた衣装が発展したものです。

右肩を出すようにして体に巻き付ける
住職などの正装ともいえる衣裳です。

 


 

イエスが図書館はしゃべれないから
嫌いだと言った後、ふと昔を思い出し‥

「私 そういうとこ苦手なんだよね
昔 裁判にかけられたことが
あったんだけどあれもきつかった‥」

 

イエスが裁判中を思い出して‥

なんかユダヤ総督ピラトさんの
立ち位置が‥

 

この裁判は、
イエスが十字架に
貼り付けになる時の裁判
の事です。

裁判は6つも行われ、実に4か所を
たらい回しにされ、

ユダヤ教や、
ローマ帝国の支配下などで行われた
法律に反した不当な裁判を受けて、

イエスは冒涜やむち打ちなど、
ひどい目にあい、尋問されたり、

ヘロデから奇跡を起こしてみろと
言われますが、

イエスはこれを完全無視したといいます。

最終的には
ユダヤ総督ピラト
政治的打算や妥協によって、

イエスは十字架へと引き渡されてしまいます。

 


 

イエスがブッダに‥

汝の敵を愛せよ‥だよ?」

 

マタイの福音書に出てくる有名な
イエスの言葉です。

丘の上で群衆に言った言葉で、
もしも相手から憎しみを受けた場合に
グッと耐えて憎むことをやめて、

逆に寛容を示し、相手を祝福すれば
相手は自らの過ちに気づき、

相手自身も良くなるかもしれない。

仮に拒否されても祝福は自分に
返ってくるだけなので、どちらにせよ
いいことであるという教えです。

キリスト教は人が人を裁くことを
戒め、

裁く権利があるのは完全に
罪がない「神のみ」だと言います。

 


 

イエスが‥

7つのラッパを鳴らすと
世界の終末が始まるシステムに
なってるみたい‥」

 

これは黙示録のラッパ吹きという
ヨハネの黙示録に書かれた
ラッパを与えられた神の使いの事で、

第1から第7のラッパ吹きが
順番にラッパを吹くと、

青草が焼かれ、海が破壊され、
水がなくなり、昼が闇になり、

イナゴが人を苦しめ、4人の天使が
2憶の騎兵とともに人間を滅し、

最期のラッパが鳴ると、
神に選ばれなかった人々がすべて
死ぬという怖い話です。

3巻その17☆奇跡の物件

押し売りが大嫌いなイエスにブッダが‥

「それに君 
神殿に上がり込んで商売していた人
イス引っ繰り返してまでして
追い返したって聞いたけど‥」

 

この部分は、

「神殿を清めるイエス」のお話しで、

ユダヤの過越祭が近づいたので、
イエスはエルサレムに行きます。

そこで神殿の境内で牛、羊、鳩を売っている
者と、

両替を行っている者たちを見つけます
(神殿への生贄用の動物の販売と
納入金をユダヤのお金に変える商売)

イエスは縄で鞭を作り、羊や牛たちを
すべて追い出し、

両替人の金をまき散らし、
その腰掛を倒して鳩を売る物達に言いました、

「この様なものはここから運び出せ
私の父の家を商売の家としてはならない」

と怒りをあらわにします。

ここでは、

優しい神の子イエスの印象とは逆の、
人間らしく激しく怒って暴れる様子が
書かれています。

イエスが激怒したのは、商人が
利権をむさぼり、

神の家(神殿を)欲望の餌食にしている
ことが、神に対する冒涜だとした理由からと
言われています。

 


 

商人にキレた当時を思い出してイエスが‥

「そのあとのスピーチはもう勢いだね‥
追い込まれるとやれるタイプだよ
私は‥」

 

商人を追い出すイエスに、
ユダヤ人指導者たちは、

「あなたはこんなことをするからには、
どんなしるしを私たちに見せるつもりか」

と詰め寄ります。

するとイエスは

この神殿を壊してみよ。
三日で建てなおしてみせる
」と答えます。

弟子たちはこの意味が
分かりませんでしたが、イエスが十字架に
かかってから、三日目に復活したという
部分がこの言葉の真実だと分かります。

神と人が出会うのは、豪華な神殿ではなく
イエスであるとも教えているようです。

ちなみに

バーサク状態できれられた商人達も
怖かっただろうな」

というブッダのセリフですが、
berserk=(形容詞)凶暴な・怒り狂う・発狂したという意味があります。

 

バーサク状態の元ネタについて、コメントをいただいたので
それを元に追記します!

「ファイナルファンタジー」から
来ているようです。

バーサクという呪文をつかうと
キャラが狂戦士化して攻撃のみ
繰り返す状態になります。

berserk(bərsə'ːrk, -zə'ːrk)は

「バサーク」又は「バザーク」
と発音します。

 


 

物件の見取り図を見てイエスが‥

「ホラ 私 大工の息子でもあるから
こう見えてもガテン系聖人なんだよ!」

 

イエスは神の子とされますが、
母・マリアが婚約者であるヨセフと
結婚する前に、聖霊によって身篭ります。

天使の受胎告知により、マリアは
イエスを身篭る事を告げられ、

マリアはそれを受け入れる
という出来事は、
芸術作品にも数多くモチーフとされてきました。

なので、
ヨセフは養父としての
イエスの父とされ、大工だった
ヨセフ
の像は、

たびたび大工道具
を手に持った姿で表現されています。

 


 

釘を触りたくないというイエスにブッダが‥

 

はりつけという修羅場を
くぐり抜けておいて何を今さら!?」

 

イエスが十字架にはりつけにされたときに、
当時の磔刑の方法から、

木製の十字架に
両手両足を釘で打ち付けられる
という手法があるのですが、
諸説あり、

手のひらだったり、手首とも言われ、
ローマ人が処刑をする際に
縄を使って縛るという方法も
あったようです。

 


 

高層マンションのチラシを見た2人が‥

イエス:
「一体何階建てから
うちの父さんにバベられるか

ものすごくハイリスクなチキンレース
だと思うもの‥」

 

ブッダ:

「これ以上言語を分断されたら
本当困るのにねぇ」

 

これは「バベルの塔」
話が元になっていて、

全ての地は、同じ言語と同じ言葉を
用いており、

そこに住む人々が、新しい技術を使い、
石の代わりに煉瓦を、
漆喰の代わりにアスファルトを用いて
天に届く塔を作り始めます。

これを天から見た神は、人間が高慢になり、
神に近づこうとしたと見て、

人々の言語をバラバラ
にして、全地に散っていくように
仕向けたという有名な話です。

これは
ノアの箱舟よりも後世の話であり、

洪水を避ける為に高い塔を作った
など、諸説あり、神が言語や人を
バラバラに散らした理由も諸説あります。

 


 

物件のトイレを見て‥

「いや ラーフラ目上の人んち
止まる時は絶対トイレで寝るからさ‥」

 

ラーフラはブッダの息子です。
ブッダが出家して10年もの間
妻子に会っておらず、

再開を果たした時に妻のヤソーダラは
息子のラーフラに

「お父さんに財産を要求しなさい」

と教え、ラーフラはそのままブッダに

「財産をください」

と言います。

するとブッダはサーリプッタに命じて
ラーフラを出家の準備をさせます。

財産とは出家の事でした。

ラーフラは訳の分からないまま出家し、
真面目に修行しますが、当時10歳程度
の子供。

他の信者へのイタズラなどもあったそうです。

そして、新参者は先輩の修行者と一緒に
寝てはいけないという戒律があり、

ラーフラは寝床に困ったあげく、
トイレで寝ていたという有名な話が
あります。

(ラーフラの詳しいお話はこちらをどうぞ)
    
ブッダの弟子・ラーフラがトイレで寝る理由は?どんな人? 

 


 

故郷を思い出したイエスが‥

馬小屋みたいで‥」

 

イエスは馬小屋で生まれたと
伝えられていますが、

イエスが生まれた後、
「飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らの
いる場所がなかったからである。」
という表現があり、

イエス誕生のモチーフなどには、
牛やロバが多く見られます。

このことから家畜小屋でうまれたことは
想像できるものの、

馬小屋が断定できる要素ははっきりせず、

日本へ伝わった際の
翻訳の際に馬小屋とされたり、

言い伝えられるうちに
「馬小屋でうまれた」という
ことが広まったと考えられます。

3巻その18☆いい旅極楽気分

弘法大師のことをブッダが‥

「え どーかな‥
私の後輩で温泉でしょ?」

 

弘法大師・空海」は、
真言宗を開いた人です。

平安時代初期にその教えを大成して、
仏教の歴史的には中期から後期にかけて
開かれた「密教」であると言われています。

仏教の源はブッダが悟りを開いた事
からすべて始まっている事から、

マンガの中では、
その後の宗派の開祖はすべて
後輩扱いになるのでしょうね?

 


 

イエスのピンチにウリエルが来て‥

「呪われろ悪魔の実め‥
わさびの木は
もう永遠に実は結ばぬよう!!!」

 

ペトロの黙示録に出てくるウリエルは、

神を冒涜する者を永久の業火で焼き、

舌で吊上げて火あぶりにしたりと、
罪人を散々苦しめるという
怖い役割をする天使です。
地獄を管理しているとも言われます。

また、聖書の話でお腹が空いたイエスが
いちじくの木に近づいたものの
実がなっておらず、

「今後永久に、お前の実を食べる者が
ないように!」

と呪いをかけると、翌日木が
かれてしまうという話があります。

 


 

イエスが驚いて‥

「な‥何してるの?
大天使4人で?」

 

大天使とは、天使の階級の1つにあたります。

天使の中でも特に偉大な敬称で、
神と同席することを許された
天使はいずれも大天使です。

四大天使は、
ミカエル・ガブリエル
ラファエル・
ウリエルなどで、

単なる大天使には収まらない特権階級の存在。

他の階級の長を兼任したり、
神の命によって行動したりします。

 


 

嘘をつく四大天使達にイエスが‥

「うん よかった 君達
そのおかしな嘘で 堕天しちゃうのかと
思ったよ!」

 

堕天とは、天から堕ちるという意味で、

天使は神により作られたもので
あるにもかかわらず、

高慢や嫉妬の為に神に逆らう行為を
すると堕とされてしまいます。

天界から追放された天使を堕天使といいます。

 

3巻その19☆エンジェルズ

 

歌う四大天使を見てブッダが‥

メサイアにあんな振り付けが
あったなんて‥」

 

メサイアは、
イエスの生涯を題材にした曲で、
よく合唱の場で披露されます。

第2部最終曲の「ハレルヤ」
(通称:ハレルヤコーラス)
は特に有名。

ちなみにハレルヤの意味は、
「主をほめたたえよ」です。

マンガの中でもイエスが喜びの感情表現に
「ハレルヤ」をよく使っています。

 


 

マイクを持ったイエスが‥

悔い改めよ!天の国は近づいた!

 

イエスが洗礼をうけてから、
人々に宣教を開始しますが、
その第一声が

「悔い改めよ。天の国は近づいた」

と言って宣べ伝え始められた。
とあります。

これはイエスの本質を表し、
宣教の軸となる言葉となっていきます。

 


 

マイクを渡されたブッダが‥

「説法だって 初めは鹿の群れから
慣らしていったんですよ!」

 

ブッダが鹿の群れに説法をしたのは
悟りを開いてから初めての説法でした。

苦行を棄てたブッダは、当時の仲間から
白い目でみられていたので、

悟りを開いたと聞いてもなかなか人が
集まらず、

寄って来た鹿達に向けて説法をしたそうです。

 


 

夜更かしがしたいイエスが‥

「私が磔刑の前日 寝られなくて
祈ってる時‥
弟子たちに一緒に起きててって頼んだのに
皆寝ちゃったり‥」

 

イエスが磔刑に掛けられる前夜
ぐっすりと眠ったという記述は聖書にも
明確に語られていません。

マルコ伝14章~15章の記録を見ても
イエスが処刑前夜に寝たことは考えにくい
事から、

相当に疲れた状態で磔刑当日を
向かえたと推測されます。

 


 

ネトゲのことをツッコむブッダが‥

ヴィラスーラの皆って
ペトロさん達なの?」

 

宗教用語とは関係ないセリフですが、
マンガの中で
イエスがハマっているネトゲ
デーモンハンターオンラインです。

(通称デモハン)

ネット上のハンドルネームは「いえっさ」で、
オンラインゲームでは12天使達と
チーム「ネトゲ聖人」を組んでいます。

ペトロはイエスの弟子の1人で、
ゲーム内のハンドルネームはペトロンを
名乗っています。

※ヴィラスーラ平原は、ゲーム初心者用の
レベルアップに適した場所らしく、
本家のネタ元は不明でした。

 


 

羊を数えていたイエスが‥

迷える子羊が1万5千22人‥」

 

イエスの有名な言葉に

「迷える子羊よ、悔い改めなさい」

というフレーズがあります。
この「羊」は、ユダヤ教でいうところの
「ゴイム=(家畜=異教徒)」という
隠語です。

迷える人間の様を、表す言葉としても
使われ、羊を導くという「牧人」という
意味から「牧師」という言葉が由来して
いると言われます。

 


 

ナレーションで‥

「あの時なら食パン50斤は皿に
できた」とのちにイエスは
振り返ったという

 

マンガの中のイエスはテンションが
上がったり、喜んだときに
つい、お皿をパンに変える奇跡を
おこしてしまう為、

2人が住む立川のアパートは
お皿が不足気味の状態となっています。

逆に悲しんだり、気分が落ち込むと
その逆がおこり、パンを皿に
戻せる「逆奇跡」をおこします。

 


 

滝を見つめるブッダにイエスが‥

「バッグからアレが‥
滝行用の服が見えてるよ 
ブッダ‥!!」

 

修行の方法は宗派によって違います。

滝行を行うのは高野山真言宗
が有名で、

写経等も盛んに行われています。

ちなみに浄土真宗のお坊さんは
滝行や座禅等の修行はしません。

まとめ

宗教用語に関しては、当サイト管理人は
専門家ではありませんので、

あくまでも簡単な知識程度の
感覚でご理解いただきたいと思います。

宗教への理解や解釈の違い等があると
思いますが、「聖☆おにいさん」を
より楽しく読む目的で記事を書いたことを
ご理解いただけたら幸いです。

 

この記事の続きの元ネタはこちら(3巻後編)
    
聖☆おにいさん3巻の宗教用語・元ネタ解説!後編その20~その22

関連記事(一部広告含む)

-聖☆おにいさん

Copyright© amswer-mama.com , 2023 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.