聖☆おにいさん

聖☆おにいさん8巻の元ネタ解説・宗教用語!後編その54~その57

聖☆おにいさん(セイントおにいさん)
のマンガに出てくるブッダやイエスの
宗教ギャグの元ネタを解説します!

まだ知らない方が読まれた場合、
ネタバレになってしまうので、
8巻の内容をまだ知らない方は
ご注意下さい。
※過去記事で解説した用語は省略させて
いただくことがありますのでご了承ください。
なお、この記事は非公式です。

この記事の1つ前の元ネタはこちら(8巻前編)
    ⇩
聖☆おにいさん8巻の宗教用語・元ネタ解説!前編その51~その53

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3日坊主の由来を話していて、ブッダはそんなことは
ないでしょ?と聞いたイエスに対してブッダが‥

「いや 私もさ‥
修行のために入門しても‥

三日くらいでもう極めてしまって
学ぶことなど何もなくなっちゃって
やめちゃうんだよね‥」

 

ブッダは悟りを開く前の修行僧の時代に
教えを学ぶ為に2人の師の元に
入門するのですが、

最初にアーラーラ・カーラーマという
師について修行をしました。

しかし、あっという間に「無所有処」を
体得しますが、これでは「解脱」の道を
開くことはできないとして、師の元を去ります。

そして次にウッダカ・ラーマプッタという
仙人の所へ入門しますが、

ここでも「悲想非非想処」の教えを
体得するものの、同じく解脱には至らない
として去ってしまいます。


 

マッスルになるための秘密を探るイエスが‥

「いや 

知り合いのサムソン君はそうなんだよ!」

(ものすごい怪力の持ち主なんだけど
髪の毛を切ると弱くなるんだー‥)

 

聖書の中でも最も力持ちとして登場するのが
サムソンという裁き人です。

サムソンのエピソードをご紹介しますと、

サムソンは、
悪いペリシテ人の住む場所へ向かう途中に
ライオンに出くわしますが、
そのライオンを素手で殺し、
向かった先のペリシテ人も大勢殺します。

そんなサムソンの力の強さの秘密を
あばこうと、ペリシテ人は1人の女を利用します。

その女の名はデリラと言って、
サムソンが恋をしている相手でした。

デリラがサムソンの力の秘密を聞き出せば、
ペリシテ人が銀貨1100枚をくれる
という取引でしたが、欲に目がくらんだ
デリラはこれを承諾してしまいます。

それからサムソンにしつこく力の秘密を
聞いて、とうとうそれが

「生まれてから
一度も切ったことの無い髪の毛」

だと教えてもらうのです。

デリラはそれを聞くと、
サムソンを膝で眠らせて、男を呼んで
サムソンの髪の毛を切らせてしまいました。

目を覚ましたサムソンは力を失っており、
ペリシテ人の復習にあい、
両目をくり抜かれて奴隷にされてしまいました。

(その後、再び髪が伸びたサムソンは
力を取り戻したというお話しです。)

 


 

人間の強い人を探していて、思い当たったブッダが‥

ウリエルさんが一度

人間に相撲で負けたって本当なのかい‥?」

 

イエス:「ああ ヤコブさんのこと?」

 

ウリエルとヤコブが相撲をとった
という元ネタは、

聖書の中の角力(すもう)」という文字が
ある部分です。

創世記の第32章に

「ヤコブ1人残りしが、人ありて夜の明くるまで
これと角力せり。
其の人己のヤコブに勝たざるを見てヤコブの枢骨
其の人と角力するとき挫離れたり」

と書いてあり、ヤコブが角力(すもう)をとった
というのです。

気になるヤコブと相撲をとった相手とは、
「神のみ使い・天使」とされており、

ヤコブが優勢なったと記されている事から
相撲の勝者はヤコブのようです。

 


 

モーセさんをイジるペトロとアンデレ‥

アンデレ:

「おっ!さすがモーセさん 

早速割っちゃいます!?」

 

ペトロ:

「パネエ!しかも十回も‥

あっ 十戒も!?」

 

何度も出てきたモーセさんですが、
海を真っ二つに割ったお話しが有名です。

十戒(じっかい)というのは、
海を割った奇跡から三か月後に、

モーセが神から「イスラエルの民を
全ての民に勝り守ることを約束する」と
告げられ、

その代わりに人々が守るべき10の戒律
「十戒」を授けられるというエピソードです。

映画のタイトルにも「十戒」があり、
1958年公開のアメリカ映画で、
モーセ誕生から生涯を描いたストーリーが
楽しめます。

8巻その55☆バカンスin立川以外

 

旅行をしたいと言い出すイエスにブッダが‥

「立川の30代男性を皆殺しにする命令

とかが出たんじゃないの!?」

 

これは聖書に出てくるヘロデ王の
エピソードです。

紀元前37年にユダヤの王となったヘロデは、
非ユダヤ人であるために歓迎されず、

自分の地位を脅かす者や、ローマへの反逆を
におわせる動きに対して
激しく弾圧するなどしていました。

子供のいなかったヘロデ王は、
優れた天文学者から
「イエスの誕生(未来の王の誕生)」を聞き、
自分にとって脅威であると判断し、
ベツレヘムの嬰児を皆殺しにする命令を
出しました。

イエスの父・ヨセフはそれを天使から聞き、
家族でエジプトへと逃げたそうです。

 


 

旅行に行くならその街の裏を見たいと言うブッダ‥

「裏通りの先の‥

死体を焼いてる川辺とか見ないとね‥」

 

ブッダの話す「死体をやいてる川辺」とは、
ガンジス川です。

インドではガンジス川のほとりで
死者を火葬する風習があり、

ヴァ―ラ―ナシ―という都市では
毎日数百の遺体が火葬されているそうです。

 


 

沖縄でイエスがやってみたいこと‥

イエス:
「海底を歩けるってやつすごくない!?

これやってみたい!」

 

ブッダ:
海面を歩ける君のほうがすごい

と思うけどね?」

 

このマンガにも何度も出てくる
「湖面を歩くイエスの奇跡」が元ネタです。

弟子たちが乗る船が強風にあおられて
進めなくなってしまい、どうにもできない時、

夜明けに湖面を歩いてくるイエス
見つけた弟子は

「幽霊だ!」

と怯えて叫かれるのですが、

「安心しなさい、私だ 恐れる事はない」

と言って、なだめました。
この湖はガリラヤ湖で、この周辺でイエスは
他にもたくさんの有名な奇跡を起こしています。

 


 

深海魚の顔がすごいという話題でイエスが‥

「細部の作り雑にしちゃたって

父さん反省してた‥」

 

イエスのお父さんは「神」ですが、

天地創造では、6日間という期間で
神が無の空間から天地・全ての生物の
創造をします。

ちなみに魚類は五日目に創られました。
7日目は休息日として
神が休んだ日とされています。

 


 

シーサーについて会話がはずむ中でブッダが‥

「いや 元は狛犬っていうか‥

たぶん天界で

私を守ってくれてるライオン

元だと思う」

 

仏教においてライオンは、
ブッダの守護役として登場します。

古代インドの文化においては、
ライオンは神聖さや
王者のシンボルとして使用され、

ブッダの周りに支持する様子が
絵画や彫刻などに見られます。

そのライオンは白く、
スノーライオンとも呼ばれ、

ほとんどのものは雄雌関係なく中性で表現されます。

8巻その56☆バカンスin立川以外、ってか沖縄!

 

沖縄旅行で宿泊先を予約してないイエスが‥

「私が教会(父の家)に泊まるのは

当然だし予約とかいらないよね?」

 

イエスのこのセリフは、
イエスが12才の少年時代の頃のエピソードです。

育ての父ヨセフと母マリアと共に
エルサレムの宮殿へ宮もうでに行ったのですが、

帰り道で両親は、イエスの姿が無い事に
気が付き、探し回ります。

ようやく見つけた場所は、元の宮殿でした。

そこではイエスが学者達と、話を聞いたり
質問したりと、周りも驚くほどの頭の良さで
やりとりしていたのでした。

母マリアが「心配したのよ」と言うと、

イエスはこう言います。

「どうして私を探したのですか?
私が自分の父の家にいるのは当たり前だと
いう事を知ら中たのですか?」

と言ったのでした。「父」というのは、
ここでは「神」のことであり、
神の子である自分が父の家(宮殿)
にいることは当然だと述べというお話しです。

 


 

マンガで、天部の人達が
ダイビング中のジェスチャー
手印をやっていましたが、

よく忍者が呪文のようなものを唱えながら
手を使って色んな形をつくるアレですね?

ということで、印の名前をご紹介します!

弁才天さんがマンガでしていた手印

帝釈天さんがマンガ中でしていた手印

梵天さんがマンガでしていた手印
密教が元になっていて、
かっこいいからと、素人が印のマネを
しても厄除けや護身などの効果は無いそうです。

 


 

ブッダを深海まで潜らせたい天部の梵天が‥

「見せてやりましょう 

あなたの即身仏!!」

 

即身仏とは、
仏教の苦行のなかでも最高峰に過酷な
ものであり、

瞑想を続けた状態のまま死を迎えて
そのままミイラとなることです。

そのミイラは、運び出されたのち、
寺院などで祀られます。

現在ではこのような行為は
禁止されており、過去の苦行として伝わっています。

8巻その57☆バカンスin‥まだまだ沖縄!

 

苦行林でのドレスコードについてブッダが‥

「胃袋の中身‥乳がゆでパンパン

にしていったら出禁になったよ‥」

 

ブッダは悟りを開く為に苦行林で6年間の修行を
するのですが、5人の苦行仲間とともに
つらい修行をします。

しかし、体を痛めつけるだけの修行では
悟れないと、辞めてしまいます。

ネーランジャラ―河の側でやせ細ったブッダは
村の少女スジャータから乳がゆをもらって
食べます。

お腹いっぱい食べたかどうかは
分からないものの、
その後悟りを開いたブッダは、

最初は苦行仲間から無視されて、鹿を相手に
説法をといたそうです。

 


 

教団の経理係のアナンダが備品について‥

マハーさんなどは生前ブッダ様に

いただいてから新調したことがない

そうですし‥」

 

マハーとは、マハーカッサパの事で、
ブッダの弟子の中でボロボロになっても
ブッダからもらった衣を着続ける人でした。

「頭蛇第一」と言われ、衣・食・住にとらわれず、

こだわらない事に関しては
教団いちだったのではないでしょうか?

ブッダが亡くなった後には教団をまとめる
リーダー役をして、ブッダの教えを経典に
まとめた人物です。
(アナンダも経典作りに大活躍)

 


 

服の話になって、帝釈天が‥

「ああ 私は甲冑(かっちゅう)を

経費にしていますね」

 

聖おにいさんのマンガの中では
いつもスーツの帝釈天ですが、ここでは
「甲冑(かっちゅう)」「戦闘服」という
ワードが出てきます。

本来の帝釈天は、「武勇の神」であり、
阿修羅とも戦った事があるからです。

日本の仏教では梵天と並んでブッダを
守護する役割をしています。

 


 

豪華なホテルのロビーでの会話‥

ブッダ:
実家だと勘違いして‥ねぼけてまた

出家しちゃいそうだよね‥!」

ラーフラ:
「本当ですね 実家の玄関にちょっと

雰囲気に似てますし‥」

アナンダ:
「本当 落ち着かないですね‥」

 

ブッダは元釈迦族の王子として生れたことは
有名です。

マンガ中にも豪華な実家は何度も出てきますが、
ラーフラもブッダの息子なので
当然贅沢な暮らしを経験しています。

弟子のアナンダも「落ち着かない」
と言っていますが、

「アナンダはブッダの従兄弟」
という関係なので、

王族の身内として
比較的裕福な生活をしていたと推測できます。

 


 

オイルエステを終えたイエスが思い詰めた表情で‥

「確実に300デナリ以上はぬられてる‥

ユダが知ったらショックでまた私を

裏切りたくなるかもしれないから!!」

 

この元ネタは「ナルドの香油」というお話しです。

マリヤという女の人が
晩餐をしているイエスの足に高価な香油を
300グラム塗って髪の毛で拭ったそうです。

それを見たユダが、

「なぜこの香油を300デナリで売って
貧しい人に施さなかったのか」

というのですが、その真意は違い、
自分がこっそり使い込んだお金の
穴埋めにできたかも‥

という、利己的な考えであったと言われています。

ちなみに、この時代の一日の農業労働時間は
12時間働いて1デナリでした。

1デナリは今の日本円で
だいたい1万円だと言われます。

 


 

裸で締め出されたイエスが廊下で熱弁‥

「私が裸であると

あなたが知っているのも‥

すべてが原罪のせいなのです!」

 

原罪とは、簡単に言うと、

アダムとエバが神様から「食べてはいけない」
と言われたのに悪魔(ヘビ)にそそのかされて

「善悪の知識の実」を食べた事です。

人類史上最初の罪と言われ、
その罪によって性の自由さ、無垢さを失い、

「裸であることが恥ずかしい」

と思ってしまいます。
そしてイチジクの葉で腰を覆うのです。

マンガでイエスが

「裸であると分かるのは原罪のせい」

だと熱弁していますが、

ここではタオルひとつで
廊下に締め出されたことをごまかすために
語っていますね。

まとめ

 

宗教用語に関しては、当サイト管理人は
専門家ではありませんので、
あくまでも簡単な知識程度の
感覚でご理解いただきたいと思います。

宗教への理解や解釈の違い等があると
思いますが、「聖☆おにいさん」のマンガを
より楽しく読む目的で記事を書いたことを
ご理解いただけたら幸いです。

この記事の続きの元ネタはこちら(9巻前編)
          
聖☆おにいさん9巻の宗教用語・元ネタ解説!前編その58~その60

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