聖☆おにいさん

聖☆おにいさん9巻の元ネタ解説・宗教用語!前編その58~その60

聖☆おにいさん(セイントおにいさん)
のマンガに出てくるブッダやイエスの
宗教ギャグの元ネタを解説します!

まだ知らない方が読まれた場合、
ネタバレになってしまうので、
9巻の内容をまだ知らない方は
ご注意下さい。
※過去記事で解説した用語は省略させて
いただくことがありますのでご了承ください。
なお、この記事は非公式です。

この記事の1つ前の元ネタはこちら(8巻後編)
       
聖☆おにいさん8巻の宗教用語・元ネタ解説!後編その54~その57

9巻その58☆演じよ!さらば‥

劇の桃太郎役がブッダにピッタリだというイエス‥

イエス:「いや 本当にハマリ役なんだよ!

特に‥

桃から生まれたっていうところが‥!」

 

ブッダ:「私が脇から生まれたからって

親近感わかないけど?」

 

ブッダの出生は、母親であるマーヤ王妃の
右脇からだとされています。

マーヤ王妃の出産が近づいた為に
里帰りの旅の途中で立ち寄った

ルンビーニの花園で燃えるような
オレンジ色のアショーカの花に手を伸ばすと

まばゆい光がマーヤ王妃を包んで元気な産声を
あげたとされています。

 


 

ユダが自信げにイエスの弟子達の中で、

演技ができるのは自分だけと話したところ

イエスが‥

 

イエス:「ち 違うよユダ!!

だって君 私を裏切りに近づいてくる時

手と足が一緒に出てるわ

白目むいてるわだったじゃない‥」

 

イエスが逮捕されるきっかけを作ったのが

ユダでした。

ユダは、ユダヤの司祭やローマ兵士を伴い
彼らにどの人物がイエスなのかを知らせる為に
イエスに近づいて接吻をします。

あらかじめユダは、自分が接吻をする人物が
イエスであると教えていたのでした。

この時にユダが着ていた服が黄色だった
ために、黄色は裏切りの色としても
広く知られるようになりました。


 

自分の演技力の方が恥ずかしいというペトロ‥

ペトロ:「2回‥いや1回で

「知らない」を信じさせる演技が

できるはずっスわ‥!!」

 

セイントお兄さんに何度もネタとして
出てくる「ペトロの知らない」ネタですが、

ユダの裏切りによって逮捕されたイエスを
助ける際のエピソードです。

イエスを捕らえたユダヤ司祭の屋敷に
こっそり忍び込んだペトロは、

その屋敷内で会った女中などから
「イエスと一緒にいた」と指摘されてしまいます。

自分も捕まってしまう事を恐れたペトロは
指摘されるごとに

「そんな人は知らない」

と、合計3回も否定してしまうのです。

その後、わが身可愛さにイエスを裏切って
しまった事を外に出て泣いたという話です。

 


 

劇が始まり、桃から出てきたブッダが‥

ブッダ:「天上天下唯我独尊!

 

天上天下唯我独尊
(てんじょうてんげゆいがどくそん)

この言葉は、ブッダが生まれた時に言った
言葉とされています。

天にも地にも我より尊い人はいない

という意味で解釈する人も多くいますが、

こういった意味ではなく、

「どんな人も全て尊い」とか
「全ての人々の為に私は生まれてきた」

といった解釈として広まっています。

 


 

すぐに鬼ヶ島へ行こうとする桃太郎(ブッダ)
だが、きびだんごを差し出されて‥

ブッダ:「私がふりきらねばならぬ障害が

生まれてしまったか‥

今日からきびだんごをラーフラと名付けよう‥!」

 

個人的には、きびだんごがラーフラだなんて
若干強引だなと思いましたが‥^^

「皆が寝ている間に旅立つことを
お許しください‥」

と言っている所から、

ブッダは出家と鬼ヶ島への出発を絡めています。

ラーフラはマンガ中にも出てくるブッダの
1人息子です。

愛する息子の存在が自分の出家の妨げになる
という事から、「ラーフラ=障害」という
名前を付けたともされていますが、

ブッダがそんな名前の付け方をするはずがない
と、賛否両論いろんな説があります。

 


 

きびだんごを持たない桃太郎に困る
犬役のペトロ達を前にキジ役のイエスが‥

イエス:「人はきびだんごのみにて

生きるにあらず

神の口から出るすべての言葉によって生きる‥!」

 

この言葉は、イエスがサタンの誘惑を
退けた際のものです。

ヨハネから洗礼を受けたイエスが、
荒れ地で40日の断食に入った時のことです。

悪魔はイエスに対してこう言います。

「神の子なら これらの石がパンに
なるように命じたらどうだ。」

この悪魔の言葉に対してイエスは、

「人はパンだけで生きるものではない

神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」

と言って、その誘惑を退けたとあります。

 


 

鬼役のユダが‥

ユダ:「この門をくぐる者は

一切の希望を捨てよ!!!!

 

ダンテの「神曲」という本に出てくる
地獄の門に刻まれた言葉です。

どれだけ恐ろしい場所なのか
容易に想像できるほどの絶望的な気分にさせる
言葉ですね。

この「神曲」という本の中で、地獄の最下層
であるコキュートスという場所にユダが登場します。

 


 

最終的に説法を始める桃太郎役のブッダ‥

ブッダ:「鬼は己の心の中に‥

鬼を倒すのは桃太郎ではなく自分なのです‥

 

このセリフは本当に仏教的な視線で桃太郎を見た
時に出てくるセリフだなと感じました!

このサイトの
節分と仏教の関係とは?浄土真宗のお寺で豆まきをしない理由

という記事でお話しした内容とリンクしています。

同じコマのオチのナレーションで、

「後で考えると
インフルエンザを治す方が簡単でした」

という部分は、

イエスには病人などを触っただけで
治してしまう奇跡の力があるので、
それをを使えばよかったという事ですね‥

9巻その59☆ラジオスターの喜劇

 

ブッダがニヤニヤしているイエスに‥

ブッダ:「どうしたの?思い出し笑い‥?

またトマスさんがハチの巣に指突っ込んだ話?」

 

イエスの弟子の中でも疑り深いトマスですが、

十字架に磔になって処刑されたイエスが
蘇った時に、

他の弟子達がその姿を見て信じたりする中で、
それでも執拗に疑って
イエスの聖痕(せいこん=磔刑の傷)
へ指を突っ込んで確かめたという逸材です。

 


 

よく不審がられるという弟子のモッガーナの話をするブッダ‥

ブッダ:「私の説法‥

神通力で遠くから好きな時に聞いてたんだよね‥」

 

ブッダの十大弟子の中でも、
ブッダからの信頼が厚く、

頼りにされていたのがモッガーナでした。

モッガーナというのはインド名で、
日本名では目連(もくれん)尊者とも呼ばれます。

神通力の持ち主で、超能力的な力で
ブッダの身の回りに起こる災いを防ぐという
ボディガード的な役割もしていました。

モッガーナがどんな人だったかを知るには
こちらもおすすめです。
       
お盆の由来はブッダの弟子?夏祭りの踊りは目連が最初?

 


 

ラジオに出演したイエスとブッダ‥
女の子の好みを聞かれて梵天さんからNGを食らう

ブッダ:「‥すみません

女の子の話は天部NGが‥

愛別離苦で‥」

 

天部的にはブッダの恋愛的な要素のトークは
NGのようです。

ブッダがマンガ中で「愛別離苦で‥」
と言っていますが、

この愛別離苦(あいべつりく)は、
ブッダ(お釈迦様)の教えの1つである

「愛するものとの別れ」

という意味です。

ブッダは29歳で出家をした際に、
妻のヤソーダラーと、息子のラーフラに
別れを告げて城を去っているので、
まさに愛別離苦の状況だったのでしょうね?

 


 

ラジオ収録の最後に告知を求められたイエスが‥

イエス:「近いうちに

「終末」がくる予定です!

天の国に入場するために悔い改めておいてください!」

 

マンガ中にもよく出てくる「終末」ですが、

この世の終わりに人類に降る
「最後の審判」
という、聖書の中でも難解とされる部分です。

ヨハネの黙示録が語る終末では、

第1段階から第5段階までこの世の終焉が
具体的に描かれていますが、

その中の第4段階で、

「死んだ者も生き返り全ての者が神の座の前に
引き出され、裁きを受ける。

そこで生前の行いによって天国と地獄に
振りわけられる」

という部分があるところから、

マンガ中にとっさに告知をふられたイエスが
みんなが天国にいけるように
今のうちに悔い改めるように告知したようです。

9巻その60☆福も来た!鬼も来た!

 

豆まきをするのにブッダが優しすぎて
もっと強く投げて欲しいという鬼役のイエス‥

 

イエス:「この中で罪を

おかしたことのない者から石を投げよ

って言っても‥

この世で唯一堂々と石を投げられる人だし!!

 

このセリフの後のコマで、元ネタ解説を
イエス自身がしていますが、

マグダラのマリアという女性がイエスと
出会う時のシーンとされています。

この女性は「姦淫の現場で捕らえられた女」
としてヨハネの福音書の8章に記録されています。

聖書的にはこの姦淫の罪を問われた女性が
マグダラのマリアだとはハッキリと記していませんが、

当時のユダヤ社会では不倫は死刑とされ、
その処刑方法は、死ぬまで石を投げつける
という信じられない残忍な方法でした。

その女を捕らえた法律学者とファリサイ人が
イエスに向かって

「モーセの定めた法律によると
こういう女は石打ちだが、おまえはどう考える?」

と問います。

なぜイエスにこんな問いをするかというと、
イエスを試して訴える口実を作るためでした。

そんな罠の問にイエスは、マリアを見ずに
しゃがんで地面に何かを指で書き始めます。

そして、

「あなたたちの中で罪をおかしたことのない
人が、まずこの女に石を投げなさい」

と言うと、マリアを囲んでいた人々は
1人、また1人と立ち去って全ていなくなった
という話があります。

 


 

寒空の下にウロつく鬼達にカップ麺を
ふるまうルシファ―がもくろむ計画とは‥

イエスの心の声:
「もう一度天界大戦争をーーー‥!?」

 

聖☆おにいさんの中では、
ルシファ―(兄)とミカエル(弟)の兄弟は
仲が悪く描かれています。

というのも、ルシファーは元々は
天使(しかも天使長)だったのですが、

神に不満を持ち、反逆したという経緯があり、

こんな振る舞いをしたルシファーの代わりに
神は弟のミカエルを天使長としたのですが、

この兄弟の戦いは天界大戦争という
大きな戦いとなり、

最後は負けたルシファーが
堕天してしまうという結末をむかえます。

マンガでは、
ルシファーが鬼達を従えて反逆をおこそうと
していると思ったイエスが、

第2の天界大戦争をおこすつもりなのかと
おそれていますね。

 


 

出て行ったきり帰ってこないイエスを
探しに行こうとドアをあけるブッダ。

そこには弁才天さんが‥

ブッダ:「‥弁才天さん‥と‥」

弁才天:「同じに乗ってるメンバーよ」

 

ブッダとイエスの住むアパートに
やって来たのは七福神ですね。

メンバーは、

・大黒天(だいこくてん)

・毘沙門天(びしゃもんてん)

・恵比寿天(えびすてん)

・寿老人(じゅろうじん)

・福禄寿(ふくろくじゅ)

・弁才天(べんざいてん)
※弁財天という漢字でも使われる

・布袋尊(ほていそん)

の七人です。

ちなみに、
ブッダに菓子折りを渡しているのは
寿老人です。

 


 

ブッダが恵方巻の話を七福神の前ですると‥

弁才天:「シッダールタがそうしたいなら

そうしたらいいわ!」

 

マンガの中でブッダが、

恵方巻を決められた方角をむいて
喋らずに一本食べるという風習を話すと、

七福神たちが、何言ってるの?という顔で
ザワつきましたが、

節分にこういったイベントを作って
恵方巻(のりまき)を売ろうという
お店側の策略に乗せられたブッダを、

七福神たちがどう扱っていいのか
困っています。

ちなみにシッダールタと呼ばれるのは
ブッダが生まれたときに付けられた
名前で、

ゴータマ・シッダールタといいます。
(シッダッタと呼ぶこともあります。)

まとめ

 

宗教用語に関しては、当サイト管理人は
専門家ではありませんので、
あくまでも簡単な知識程度の
感覚でご理解いただきたいと思います。

宗教への理解や解釈の違い等があると
思いますが、「聖☆おにいさん」を
より楽しく読む目的で記事を書いたことを
ご理解いただけたら幸いです。

この記事の続きの元ネタはこちら(9巻中編)
       
聖☆おにいさん9巻の宗教用語・元ネタ解説!中編その61~その62

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