浄土真宗の仏事の時に、
肩から袈裟に似たようなものをかけた人を
見かけた事はないでしょうか?
門徒の方ならよくご存じの
「式章(しきしょう)」というものですが、
式章の着け方や、どんな意味があるのか?
いつから着用が始まったのかなどの歴史についてなど‥
浄土真宗の方は是非知っていただきたい
式章について詳しくお話ししたいと思います。
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式章(しきしょう)とは?
お寺さんが肩からかける輪になった
「袈裟(けさ)」に似たものを浄土真宗の門徒が着用していますが、
これは「門徒式章(もんとしきしょう)」
と呼ばれるものです。
袈裟ではありません
「式章」はお寺さんが着用する「輪袈裟」とは
似ていますが違うものです。
その性質は全く違っていて、
「袈裟」とは、得度(とくど)を受けた
僧侶だけに着用が許されるものです。
輪袈裟はもともとの大きな「袈裟」を畳んで
首からかけれるように改良したものです。
式章は元々「肩衣(かたぎぬ)」だった
では、お寺さんのものとは違う「式章」は
どんな由来からできたのでしょう?
それは、「肩衣(かたぎぬ)」と呼ばれる
礼服からできたものです。
肩衣は門徒が仏前に出る際に最上の敬意を
表すのに着用してきたものです。
江戸時代からあったようで、今でも地方によっては
報恩講(ほうおんこう)や大切な法要に着用されています。
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肩衣は背中全体を覆うような大きなものだったので、
昭和7年に「式章」が浄土真宗・本願寺派の門徒の
正装として制定されました。
なお、東本願寺を本山とする真宗・大谷派でも
「式章」によく似た門徒の正装がありますが、
それは「略肩衣」と呼ばれています。
式章どこで購入できる?いつ着用するもの?
大体の人(門徒)はお寺を通じて入手したり、
仏壇店でも購入可能です。
院号法名の申請をされると、
よく本山(京都にある西本願寺)から
式章が交付されます
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門徒さんの間では、緑系の色を着用する方が多い印象ですが、
基本的には色や柄はお好みでもかまいません。
式章の着け方は?
紐の部分を下にして、肩からかけます。
平服の上に着用しても、
喪服の上から着用してもかまいません。
男性、女性、子供用などの色んな
タイプがあるので、好みに合ったものを選べます。
式章を着けるのはどんな時?
仏前にお参りする時ではいつでも着用しましょう。
喜びごとや(初産式、入仏式、仏前結婚式)
葬儀でも着けます。
また、家庭やお寺でも場所を問わずに
念珠とセットでお参りの際には忘れないようにしましょう。
式章を着ければ平服が喪服より正装になる??
式章の凄いところは、
普段着に「式章」を着けた服装と、
世の中で正装と言われる「礼服」を比べた時、
どちらが浄土真宗の門徒としてふさわしいか
というと、
普段着+式章
なのです。
一般的には世の中の常識として
作法・マナーがたくさんあって、
仏事にどんな服装がいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし、
それも重要なのですが、
お寺では、式章を着用していなければ
どんなにきちんとした服装でも「正装」とみなされないのが事実です。
法要で服装に困ったときには、
カジュアル過ぎない服装で「式章」を着けて出席しましょう。
お寺さんからしてみれば、ブラックスーツよりも
望ましい服装と思われるでしょう。
葬儀などで、喪服の上から式章を着用すれば、
文句なしの浄土真宗の正装です。
まとめ
式章は首からかけるだけで、
門徒としての正装ができてしまうとても
便利でありがたい品です。
できれば「聖典」「念珠」「式章」は
三点セットで持っておきたいですね?
式章は、お寺さんの袈裟が元ではなく、
「肩衣(かたぎぬ)」が元で、
昭和7年に今の式章の形に制定されました。
通夜・葬儀・法事・喜び事のお参りなどの
どんなシーンでも着用します。
式章を入れる専用の袋もありますので、
きれいに保管できてバックにもしまえますね。
注意点としては、
人が歩く畳や床には置かないように気を付けて扱いましょう。
欲しい方はお寺に問い合わせてみるのもいいですし、
仏壇店などに各種揃っていますので、
ご家族でそろえられるのもいいと思います。
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