弔問とは故人宅へ訪問し、ご遺族へお悔みの言葉を伝えることです。
ある意味、マナーの観点から葬儀に参列するよりも難しい場合もあります。
もし訃報を聞いたからと言って、すぐに駆けつければ気持ちが伝わるというわけでもありません。
不幸ごとの場合、気持ちを行動で表す事が必ずしも正しいとは限らないので、
行こうかどうか迷っている方も含めて知っていただきたい、
弔問マナー・親族以外はお通夜前に行かない方がいい
というお話しをしながら、「こんなパターンだと行くべきではない」といった例をあげてご説明したいと思います。
お通夜前の弔問は原則として親族だけ
基本的にはお通夜前の弔問は、親族・身内以外は控えた方がいいでしょう。
一般的には訃報の知らせというのは3親等までが多く、ご遺族から直接連絡が来たならまだしも、人づてに訃報を知って弔問に行こうとするのはやめた方がいいでしょう。
多くのご遺族は危篤から臨終までを通じて心身共に疲弊されている時です。
さらに通夜・葬儀の手配に忙しいので、弔問の来客の対応は負担になりますし、お茶出しなどの手間をとらせてしまう結果となります。
ご遺族にとっては、そっとしておいてもらった方が助かることもあるので慎重に考えましょう。
親しい間柄や近所でお付き合いが深かった場合
親族の他にも、古くからの友人や、ご近所でお付き合いの深かった人など、
すぐにでも駆けつけたいと願う方もいらっしゃると思います。
ご遺族とも面識のある方であれば、弔問を受け入れてもらいやすいので、訪ねる前にはできれば連絡をしてから行くといいと思います。
長居はせず、お悔みの言葉で弔意を示して手短に済ませるのがマナーです。
お通夜前の弔問を控えた方がいい6場面
弔問を遠慮した方がいい場合というのは、色んな事情や状況が考えられますが、
いくつか例をあげてご紹介したいと思います。
1・ご遺族が弔問を遠慮している場合
最近は家族だけで静かに偲びたいという所がほとんどなので、何も言われない限りは弔問を控えましょう。
もし、ご遺族から「よろしければどうぞ」と声をかけていただいた場合のみ弔問させてもらいますが、
最近は田舎でもお通夜前の弔問は断ることが多いので、自分からは行こうとしない方がいいと思います。
※当サイト管理人(以下:私)の実家はかなり田舎ですが、弔問はお断りして通夜・葬儀の日程だけ近所にお知らせしたことがあります。
昔は近所同士でお互いの家の通夜・葬儀の手伝いに行っていたようですが、近年は葬儀会社に頼めるので、そのような習慣もなくなりました。
2・故人の入院や闘病を周囲に知らせていなかった場合
具合の悪い事を周囲に知らせていなかった方が亡くなった場合も弔問は控えた方がいいでしょう。
周囲に知らせない理由や事情があるようなら、暗黙の了解でこちらからも弔問は控えます。
相手の気持ちを尊重してそっとしておくのも気遣いです。
3・死因や亡くなった状況がよく分からない場合
詳しい事情が何も分からない状況での弔問はよくありません。
弔問のマナーに「死因を聞いてはいけない」というのがありますが、ご遺族が死因についてあまり話をされない場合も弔問に行かない方がいいでしょう。
説明しがたい事情があるのかもしれないので、それを察知してあえて弔問を控える方がご遺族にとって助かる場合もあるでしょう。
4・お子さんなどの若い方が亡くなった場合
お子さんに先立たれた親御さんの心情を思うと、弔問の対応どころではないでしょう。
私も同級生や高校の先輩が事故や病気で亡くなった経験がありますが、20代という若い年齢の時の出来事でした。
通夜前に共通の友人と集まって「信じられない」と話し合った事はありましたが、弔問には行きませんでした。
おそらく、同級生や友人が弔問に訪ねても親御さんにとっては「自分の子供だけなぜ‥」とさらに悲しませてしまうのではないでしょうか?
このような場合は通夜・葬儀に参列するだけで十分だと思います。
5・自殺・事故・事件でお亡くなりになった場合
ほとんどの方が病院のベッドで病気や寿命で亡くなる中、
自殺・事故・事件といった理由で「まだまだ元気に生きれていたはずの方が亡くなった」という死因の場合も弔問はやめましょう。
ご遺族もショックが大きく、常識的に考えて弔問はしない方がいいでしょう。
6・自身が結婚や出産を控えている場合
自分自身がもうすぐ結婚や出産(男性だと自分の子供が生まれる)が近い場合も弔問は控えましょう。
神道では「死は穢れ」とされているので、中には忌事と慶事が一緒の時期に重なる事を気にする方もいます。
ご遺族が結婚や出産を知っている場合には気を使わせてしまいますし、妊娠中の女性は体調や精神面で特に不安定な時期でもあるので、周りに心配させてしまうようなら弔問は控えましょう。
まとめ
・原則として親族以外は通夜前の弔問に行かない
[通夜前の弔問を控えるべき6つの場面]
1・ご遺族が弔問を遠慮している場合
2・故人の入院や闘病を周囲に知らせていなかった場合
3・死因や亡くなった状況が分からない場合
4・お子さんなどの若い方が亡くなった場合
5・自殺・事故・事件で亡くなった場合
6・自身が結婚や出産を控えている場合
弔問にいこうかどうか迷うようであればやめた方がいいと思います。
その場合は通夜・葬儀に参列することで十分だと思います。
最近の弔問としては、通夜・葬儀に参列できなかった方や、遅くなって訃報を知った方がお参りに来られるといった意味合いの方が強いようです。