浄土真宗では、お正月のお仏壇は普段よりもお荘厳=(お飾り)を豪華にしますが、その方法をご紹介します。
そしてお正月ならではの「鏡餅」をどうやってお供えすればよいのか、悩む方が多いようなので、
あわせて浄土真宗の正しい正月餅のお供え方法もお話したいと思います。
(家族が亡くなって初めてのお正月の場合)
⇩
喪中のお正月に鏡餅を仏壇にお供えしてもいい?浄土真宗の場合
お正月のお仏壇の準備を29日にしてはいけない??

新年のお正月にむけて、お仏壇の準備を年末の12月29日にすると「二重苦」で縁起が悪いといった迷信がありますが、
浄土真宗は、そのような日付・数・まじない・占い・おみくじ・霊・魂といったものを否定している宗派です。
言い伝えや噂などに惑わされないように、できる日にお仏壇のお正月飾りをしましょう。
では、お正月のお仏壇お飾りのポイントをご説明します。
お正月の打敷(うちしき)の色は白じゃなくてもよい
お仏壇を購入すれば大体ついていますが、打敷という前に垂らして使う三角の布があります。

お正月なので、派手な柄(赤や金)の打敷を用いますが、なければ控えめな色のものでも構いません。
お正月は三具足から五具足へ増やしましょう

お仏壇には
・香炉 ・花瓶 ・ロウソク立があると思いますが、
この三つを「三具足(みつぐそく)」といいます。
大事な法要や、お正月・お盆・お彼岸などの時には以下のように

・香炉 ・花瓶一対 ・ロウソク立一対
あわせて五つの仏具を並べます。
この五つを「五具足(ごぐそく)」と言います。
(お仏壇にスペースが無い時や、五具足が無い場合には三具足のままで構いません)
お正月はロウソクも華やかな柄でもよい
普段の白いろうそくを新品のものに変えるだけでもいいのですが、お正月には華やかなろうそくを準備するのもいいですね。
(お寺などではお正月の場合、朱のロウソクを用います。)
最近は綺麗な柄のロウソクが多く、ご家庭で楽しむならこのようなロウソクも素敵だと思います。
正月のお仏壇の花は松竹梅が基本
お正月用の仏花は、松真を用いて梅・千両・南天・水仙・椿など、季節の花をお供えしてください。
お近くのスーパーなどの生花コーナーで、正月用切り花がセットで売っていると思います。
ご自宅のお仏壇用で用意するならこういったお花を利用するといいと思います。
(我が家もそうしています…)
⇧この商品は1つからとなっていますので、2箇所に飾る場合は2つ注文されてください。
お正月用のお花の飾り方は、以下の記事で詳しくご紹介していますので、よろしければ参考にされてください。
>>正月のお仏壇「花の飾り方/選び方」浄土真宗・喪中の場合は?
お仏壇に鏡餅をお供えする?しない?
当サイト管理人の実家では、年末にお餅をついてお仏壇用の鏡餅をつくっています。
ご家庭によってはお仏壇に鏡餅をお供えする習慣がなかったり、
神棚などにお供えする習慣もあるようですが、
浄土真宗のお寺(実家の近所)では、門徒の方が大晦日にお参りされた際に鏡餅をお供えする方が多く、
お寺のご本尊の前にたくさんの鏡餅が並ぶことから、
私はお仏壇に鏡餅をお供えしても良いと認識しています。
鏡餅は市販のパックをお供えしてもOK
スーパーなどに小さい鏡餅(中には小餅が入っている)が売られてますが、
あのように飾りやすい市販のものでもいいですね。
自宅で作った鏡餅のサイズだと、大きくて供笥や高坏にはのらないので、
半紙を敷いた丸いお盆に鏡餅をのせて、お仏壇の前にお供えするのがおすすめです。
(地域にもよりますが、我が家ではウラジロの葉と橙で鏡餅に飾り付けをしています。)
各家庭の鏡餅やお仏壇のサイズはそれぞれ違うので正解はありませんので、無理のない方法でお供えされてください。
小餅をお供えする場合は高坏や供笥を使う
鏡餅を飾らない家庭では、普通の白い丸餅でもいいのですが、
お正月のお供えなら紅白のお餅の方が、新年のお祝いとして よりふさわしいと思います。
高坏や供笥という仏具を用いて、左右一対で餅をお供えします。
(※市販の小餅の大きさは直径5センチくらいが多いようです)
供笥という仏具は、同じ浄土真宗であっても、本願寺派(お西)と真宗大谷派(お東)で違いがあります。
本願寺派(お西)供笥
※サイズ4寸(高さ19.0cm×総幅14.5cm) をご紹介していますが、他にもサイズがあるので、選ばれる場合は、ご自宅のお仏壇に合うサイズをどうぞ。
真宗大谷派(お東)供笥
※サイズ4寸(高さ20.0cm×総幅14.0cm)をご紹介していますが、他にもサイズがあるので、選ばれる場合は、ご自宅のお仏壇に合うサイズをどうぞ。
供笥が無い場合は、高坏でお餅をお供えしても構いません。
どちらの場合もお餅は直接のせずに、半紙(習字用でOK)を折って敷いてからにします。
コピー用紙などの白い紙で代用しても大丈夫ですが、お供え物専用の綺麗な和紙もありますので、よろしければご利用下さい。
特小サイズ | 小サイズ | 中サイズ | 大サイズ |
幅12cm×高さ12cm | 幅15cm×高さ15cm | 幅18cm×高さ18cm | 幅25cm×高さ25cm |
京型高杯2.5寸~3.0寸対応 | 京型高杯3.5寸対応 | 京型高杯4.0寸~4.5寸対応 | 京型高杯5.0寸対応 |
20枚入 | 20枚入 | 16枚入 | 10枚入 |
供笥もしくは高坏にのせたお餅は、お仏壇の上段の両側にお供えします。

上段へ置けない場合は、なるべく他のお供えよりも優先的に上になる位置へお供えします。
⇩小餅のお供えの手順は以下の記事で詳しくご紹介しています。
>>お仏壇にお供えするお餅の色や個数・半紙や供笥を使った正しい飾り方
お菓子や果物のお供え方法
お菓子は高坏に、果物は供物台に、それぞれ半紙を敷いて載せます。
お菓子はお仏壇の中段あたりへ、果物は下段あたりへお供えして下さい。
(⇩お菓子の詳しいお供え方法は、以下の記事からどうぞ)
>>仏壇のお菓子・高坏や半紙を使ってお供えする方法と置き場所
(⇩果物の詳しいお供え方法は、以下の記事からどうぞ)
>>仏壇に果物をお供えする方法(個数や向き)仏具や半紙の使い方全手順
(⇩バナナやリンゴが一緒にのる大きめの供物台があると便利です。)
お供え物が多くなって置くスペースが無い場合は、お仏壇の前にテーブルや台を用意するのもおすすめです。
⇩必要な時にだけ使うなら、折りたたんでしまえるものが便利です。
⇩お供え用としてだけではなく、経机として常用できる机なら以下のタイプがおすすめです。
【重要】お仏飯(ぶっぱん)を忘れずに
お正月の朝に炊いたご飯は忘れずにお仏壇へお供えしましょう。
お仏飯は一番重んじられているものなので、ご本尊(阿弥陀如来)の前に置いてお供えします。
ご本尊の左右にそれぞれお脇掛けがあるなら、その前にも仏飯をお供えします。
※浄土真宗では位牌は使用しません。位牌の前にお仏飯・お水・お茶などの湯呑やコップもお供えしません。
お仏壇のお正月飾りはいつまで飾る?
特に決まりはありませんが、本願寺(浄土真宗の本山)などでは、1月4日にはお正月のお荘厳をといています。
1月9日からは親鸞聖人の御正忌報恩講(ごしょうきほうおんこう)を勤めますので、
家庭のお仏壇もそれまでを目安に、お正月のお荘厳をとくべきかと思います。
お供えし終わった鏡餅は、カビないうちに美味しくいただきましょう。
(浄土真宗での鏡開きの決まった日はありません)